当サイトの記事は、編集部が電気技術者試験センター・経済産業省などの公的機関と、各講座・出版社の公式サイトの公開情報を調べて独自に執筆しています。試験の日程・受験手数料・合格基準は年度ごとに変わるため、最新の情報は電気技術者試験センターの受験案内で確認してください。
電験三種の法規を始めると、「電気設備技術基準」と「解釈」という2つの言葉が出てきて、どちらを覚えればいいのか迷いますよね。
結論から言うと、電験三種の電気設備技術基準は「守るべき性能を決めた省令」で、解釈は「その性能を満たす具体的なやり方と数値」を書いたものです。試験では両方から出るので、関係をつかんでから数値を覚えると楽になります。
この記事を読むと、電技と解釈の違い、試験でよく見る条文の数値、条文を自分で確かめる手順まで分かります。
電気設備技術基準と解釈は何が違う?
電気設備技術基準(電技)は経済産業省の省令で、「感電や火災が起きないように」といった守るべき性能を決めています。解釈は、その性能を満たすと認められる具体的な数値や施設方法を示したものです。
『電技と解釈、名前が似ていて違いが分からない』という声はとても多いんです。
まずは正式な名前から押さえておきましょう。電技の正式名称は「電気設備に関する技術基準を定める省令」(平成9年通商産業省令第52号)です。
解釈の正式名称は「電気設備の技術基準の解釈」です。こちらは省令ではなく、経済産業省が出している文書なんです。
| 比べる点 | 電気設備技術基準(電技) | 電気設備の技術基準の解釈 |
|---|---|---|
| 正体 | 経済産業省の省令(法令) | 省令を満たす具体例を示した文書 |
| 書いてあること | 守るべき性能・目的 | 数値・材料・施設方法 |
| 書き方の例 | 「感電、火災その他人体に危害を及ぼし…おそれがないように施設」 | 「接地抵抗値は、10Ω以下であること」 |
| 条文の数 | 少なめ(3つの章) | 多い(8つの章と別表) |
| どこで読めるか | e-Gov法令検索 | 経済産業省のホームページのPDF |
解釈の冒頭に書いてある大事な一文
解釈のPDFを開くと、最初にこの文書の位置づけが書かれています。要約すると次のような内容です。
解釈は、省令に定める技術的要件を満たすと認められる技術的内容を、できるだけ具体的に示したもの。省令を満たす技術的内容は解釈に限定されず、十分な保安水準を確保できる技術的根拠があれば省令に適合すると判断する。
出典:経済産業省 電気設備の技術基準の解釈(前文の要約)
つまり、解釈は「こうすれば電技に合っていると認めますよ」という見本の一覧なんです。
試験では「省令(電技)の条文の空欄」と「解釈の数値の空欄」の両方が出てきます。どちらの文書の話をしているかを意識するだけで、問題文が読みやすくなりますよ。
電気事業法とのつながり
電技は、電気事業法から決められた省令です。電気事業法第39条では、事業用電気工作物を設置する人は、主務省令で定める技術基準に適合するように維持しなければならない、とされています。
そして第40条では、技術基準に合っていない時に、国が修理や使用の一時停止などを命じられることになっています。
この「電気事業法、電技、解釈」の3段の関係は、電験三種の電気事業法と合わせて読むと頭に入りやすいです。

電技は3章、解釈は8章:まず目次をながめる
いきなり条文を読むより、目次で「どこに何が書いてあるか」を先に見ておくと、問題を解いた時に位置が分かるようになります。
『条文が多すぎて、どこから手をつけたらいいか分からない』という方も多いですよね。
実は、電技の本文は3つの章だけなんです。e-Gov法令検索で見ると、次のような構成になっています。
| 電技の章 | 中身のイメージ |
|---|---|
| 第1章 総則 | 用語の定義、電圧の区分、絶縁・接地・感電や火災の防止の原則 |
| 第2章 電気の供給のための電気設備の施設 | 発電所・変電所・電線路などの決まり |
| 第3章 電気使用場所の施設 | 工場やビルなど電気を使う場所の決まり |
一方の解釈は、数値を具体的に書いている分、量が多くなっています。章立ては次のとおりです。
| 解釈の章 | 主な中身 |
|---|---|
| 第1章 総則 | 電線、電路の絶縁と接地、機械器具、過電流・地絡の保護 |
| 第2章 発電所、蓄電所並びに変電所、開閉所及びこれらに準ずる場所の施設 | 発電所や変電所などの施設 |
| 第3章 電線路 | 架空電線路、地中電線路、引込線など |
| 第4章 電力保安通信設備 | 保安のための通信設備 |
| 第5章 電気使用場所の施設及び小規模発電設備 | 配線、特殊な場所、特殊な機器 |
| 第6章 電気鉄道等 | 電気鉄道の設備 |
| 第7章 国際規格の取り入れ | 国際規格に沿った施設方法 |
| 第8章 分散型電源の系統連系設備 | 太陽光発電などを系統につなぐ設備 |
法規の科目で解釈はどれくらい関係する?
試験センターの受験案内では、法規の範囲は「電気法規(保安に関するものに限る)及び電気施設管理」で、「電気設備の技術基準の解釈について」を含むとされています。
法規の問題数はA問題10題・B問題3題で、試験時間は65分です。電技と解釈だけでなく、電気事業法や施設管理の計算も出ます。
法規全体の範囲と時間の使い方は電験三種の法規で詳しく紹介しています。
解釈のPDFの冒頭には改正の履歴が並んでいて、編集部が確認したPDFでは令和7年11月20日付けの改正まで載っていました。古い参考書の数値と食い違う時は、最新のPDFで確かめておきましょう。
試験でよく見る数値を条番号つきで確かめる
ここでは、e-Gov法令検索の電技と、経済産業省の解釈PDFで編集部が確かめた数値だけを載せています。
『結局、どの数値を覚えればいいの?』というのが一番知りたいところですよね。
まずは電技に書かれている数値です。省令なので数は多くありませんが、どれも基本になるものです。
| テーマ | 数値 | 条文 |
|---|---|---|
| 低圧の範囲 | 直流750V以下、交流600V以下 | 電技 第2条 |
| 高圧の範囲 | 低圧を超え、7,000V以下 | 電技 第2条 |
| 特別高圧の範囲 | 7,000Vを超えるもの | 電技 第2条 |
| 低圧電線路の絶縁性能 | 漏えい電流が最大供給電流の2,000分の1を超えない | 電技 第22条 |
| 低圧電路の絶縁抵抗(300V以下・対地電圧150V以下) | 0.1MΩ以上 | 電技 第58条 |
| 低圧電路の絶縁抵抗(300V以下・その他) | 0.2MΩ以上 | 電技 第58条 |
| 低圧電路の絶縁抵抗(300Vを超える) | 0.4MΩ以上 | 電技 第58条 |
解釈に書かれている数値の例
次は解釈の数値です。電技の「絶縁しなければならない」「接地を施す」といった決まりを、具体的な数値に落としたものだと考えると分かりやすいです。
| テーマ | 数値 | 条文 |
|---|---|---|
| 絶縁抵抗の測定が難しい時の漏えい電流 | 1mA以下 | 解釈 第14条 |
| 最大使用電圧7,000V以下の交流電路の絶縁耐力試験 | 最大使用電圧の1.5倍の電圧を連続10分間 | 解釈 第15条 |
| 最大使用電圧7,000V超60,000V以下の電路(中性点多重接地の15,000V以下の電路を除く) | 最大使用電圧の1.25倍(10,500V未満なら10,500V) | 解釈 第15条 |
| A種接地工事の接地抵抗値 | 10Ω以下 | 解釈 第17条 |
| B種接地工事の接地抵抗値(基本) | 150/Ig 以下(Igは1線地絡電流) | 解釈 第17条 |
| C種接地工事の接地抵抗値 | 10Ω以下(0.5秒以内に自動遮断する装置があれば500Ω以下) | 解釈 第17条 |
| D種接地工事の接地抵抗値 | 100Ω以下(0.5秒以内に自動遮断する装置があれば500Ω以下) | 解釈 第17条 |
| 機械器具の外箱の接地 | 低圧300V以下はD種、300V超過はC種、高圧・特別高圧はA種 | 解釈 第29条 |
| 低高圧架空電線の高さ(道路を横断する場合) | 路面上6m | 解釈 第68条 |
| 低高圧架空電線の高さ(鉄道又は軌道を横断する場合) | レール面上5.5m | 解釈 第68条 |
B種接地工事は、遮断装置の動作時間によって300/Igや600/Igになる場合もあります。この計算は法規の計算問題でよく使うので、法規の計算問題の解き方で式の使い方まで確かめておきましょう。
「C種もD種も500Ω」とだけ覚えると、「0.5秒以内に自動で遮断する装置がある時」という条件を落とします。試験の選択肢は条件の違いで作られることが多いので、数値と条件を一行で書いておきましょう。
数値の覚え方を少しだけ工夫する
『数値が多くて、どうしても混ざってしまう』という方は、似た数値をグループにして覚えるのがおすすめです。
例えば、接地工事は「A種とC種は10Ω、D種は100Ω、B種だけ式で決まる」とまとめると整理できます。外箱の接地は「電圧が高いほどA種に近づく」と考えると、29条の表が覚えやすくなります。
語呂合わせを使う時のコツは電験3種の語呂合わせでまとめています。
電技・解釈の頻出テーマを「読む順番」で分ける
電技と解釈は分量が多いので、試験でよく見るテーマから順に読むのが近道です。この記事では、テーマを3つのグループに分けて読む順番を決めています。
ここが大事なところです。解釈を最初の条から順に全部読もうとすると、ほとんどの人が途中で止まってしまいます。
勉強仲間との間で、こんなやり取りになることもありそうです。
「解釈のPDF、第1条から読み始めたけど全然進まないよ」
「よく出る所から読んだ方がいいよ。接地と絶縁だけでも先に固めると楽になるから」
そこで、電技と解釈の中身を「土台」「数値の暗記」「場面の決まり」の3つに分けてみました。上から順に読むと、後のテーマが理解しやすくなります。
| グループ | 主なテーマ | 読み方のコツ |
|---|---|---|
| 1. 土台(先に読む) | 用語の定義、電圧の区分、電路の絶縁、接地の原則 | 電技の第1章を通して読む |
| 2. 数値の暗記 | 絶縁抵抗、絶縁耐力試験、接地工事の種類、外箱の接地 | 表にして条件ごと覚える |
| 3. 場面の決まり | 架空電線の高さ、離隔距離、地中電線路、分散型電源の系統連系 | 図を描きながら過去問で出た所から読む |
グループ1は「なぜ」の部分
電技第5条では、電路は大地から絶縁しなければならないとされています。そして第10条では、電気設備の必要な箇所には接地などの措置を講じることとされています。
『絶縁しろと言いながら接地もするの?』と不思議に思う方もいますよね。
実は、第5条のただし書きで、混触による高電圧の侵入などの異常が起きた時の危険を避けるための接地は認められているんです。この「絶縁が原則、接地は安全のため」という関係が分かると、後の接地工事の条文がすっと入ってきます。
グループ3は過去問から逆に読む
架空電線の高さや離隔距離は、場面ごとに細かく分かれていて、全部を覚えるのは大変です。過去問で出てきた条文から読んで、近くの条文に広げていく方が効率的です。
例えば、過去問で「道路を横断する低圧架空電線の高さ」が出たら、解釈第68条の表を開いてみましょう。すると、鉄道を横断する場合や横断歩道橋の上の場合も同じ表に並んでいるのが分かります。
- 電技(省令)と解釈(文書)の違いを説明できる
- 低圧・高圧・特別高圧の区分を電技第2条で確かめた
- 解釈の目次を開いて、8つの章の名前をながめた
- 過去問の法規を1回分解いて、出てきた条番号をメモした
条文を自分で確かめる手順
参考書や問題集の数値に迷った時は、e-Gov法令検索と経済産業省の解釈PDFで条文そのものを読むのがいちばん確かです。
『参考書と問題集で数値が違う気がする』ということも、ときどきありますよね。解釈は改正されることがあるので、古い本の数値が今と違う場合もあるんです。
そんな時に、自分で条文を確かめられると安心です。手順は難しくありません。
- 電技はe-Gov法令検索の電気設備に関する技術基準を定める省令を開く
- 目次から、確かめたい条(例:第58条)を選ぶ
- 解釈は経済産業省の電気設備の技術基準の解釈(PDF)を開き、ページ内検索で「第17条」などを探す
- 表や「ただし」の部分まで読み、条件を書き出す
- 自分のノートの数値と条件を、条文に合わせて直す

条文を読む時の3つのコツ
条文は独特の言い回しが多いですが、慣れると読み方の型が見えてきます。
- 「ただし」の後ろは例外。試験の選択肢はここから作られやすい
- 「以上」「以下」は境目を含み、「超える」「未満」は含まない
- 解釈の見出しの横にある(省令第○条)で、どの電技の条文の具体例かが分かる
例えば、解釈第17条の見出しには(省令第11条)と書いてあります。つまり、接地工事の種類は、電技第11条の「電流が安全かつ確実に大地に通ずる」ための具体例なんです。
電技と解釈は条番号が別々です。ノートには「電技 第58条」「解釈 第17条」のように頭に文書名を付けて書いておくと、あとで混ざりません。
電技と解釈のよくある相談に答えます
知恵袋でも、電気設備技術基準と解釈についての相談はたくさん見られます。その中から、勉強を始めた人が迷いやすいものを3つ選んで答えます。
相談1:「電技」と「解釈」が出てきて、関係が分からない
法規の勉強を始めたら、「電気設備技術基準」と「電気設備技術基準の解釈」の2つが出てきて混乱した、という相談です。
答えはこの記事の最初の表のとおりです。電技は守るべき性能を決めた省令で、解釈はそれを満たす具体例です。
例えば、問題文に「感電、火災その他人体に危害を及ぼし」とあれば電技の言い回しです。「接地抵抗値は、10Ω以下」とあれば解釈の数値ですね。
覚え方としては、「電技は何のため、解釈はどうやって」と考えてみてください。問題を解く時に「これはどっちの話?」と一度立ち止まるだけで、混乱がかなり減りますよ。
相談2:解釈を全部読んで頭に入れないと合格できない?
解釈を全部読んで覚えないと法規は合格できないのか、という相談です。
結論から言うと、解釈を最初から最後まで暗記する必要はありません。分量が多すぎますし、試験でよく見るテーマはある程度決まっています。
『でも、出たらどうしよう…』と不安になる気持ちも分かります。ただ、法規は合格基準が原則60点なので、全部を取る必要はないんです。先ほどのグループ1と2を固めて、グループ3は過去問で出た所から広げていけば十分戦えます。
相談3:電技の目次を見たら3章しかないが、それだけ覚えればいい?
電技の目次を見たら3つの章構成だったので、ここだけ覚えれば足りるのか、という相談です。
電技の本文は確かに3章ですが、具体的な数値の多くは解釈の方に書かれています。電技だけでは、接地抵抗値や架空電線の高さの問題に答えられません。
電技で「何を守るか」をつかみ、解釈で「数値と条件」を覚える、という2段で進めるのがおすすめです。
電験ガイド
独学で進めるか、講座を使うか迷っている方へ
電験三種は4科目の範囲が広く、理論や機械の計算でつまずく人も少なくありません。通信・Web動画・DVD・通学など講座の学び方の違いと、比べる時のチェックポイント、資料請求で確かめたい点をまとめました。
講座の選び方電験三種の講座の選び方を見る当サイト内の解説ページに移動します。試験の日程・受験手数料は電気技術者試験センターの案内で最新情報を確認してください。
法規の学習で電技・解釈を使う流れ
電技と解釈は、読んだだけでは覚えられません。自分で表を作り、過去問で使ってみることで定着します。
最後に、電技と解釈を法規の勉強の中でどう使うかをまとめておきます。
例えば、仕事のあと平日に1時間、土日に2時間ほど取れる方なら、こんな流れが合いやすいです。
| 時期 | やること | 電技・解釈との付き合い方 |
|---|---|---|
| 最初の2週間 | 参考書で法規の全体を1周 | 電技第1章と解釈の目次だけ読む |
| 次の1か月 | 数値の暗記 | 絶縁・接地・外箱の接地の表を自分で作る |
| その後 | 過去問を年度ごとに解く | 出た条文に印を付け、近くの条文も読む |
| 直前期 | 間違えた問題の見直し | 自作の表と条文を見比べて最終確認 |
試験センターは、筆記方式の過去問の問題と解答をホームページで公開しています。解説は付いていないので、条文を開いて答えの根拠を自分で確かめる練習にもなります。
独学で進めるか、講座を使うか
『条文を一人で読むのは不安…』という方もいるかもしれません。法規は暗記と計算が両方あるので、解説の動画や添削があると進めやすい人もいます。
一方で、条文と過去問がどちらも無料で読める科目でもあります。独学で進める方法は電験三種は独学で合格できる?、講座の比べ方は電験三種の講座の選び方で紹介しています。

よくある質問
電験三種の電気設備技術基準は、どこで無料で読めますか?
電技(電気設備に関する技術基準を定める省令)はe-Gov法令検索で、解釈は経済産業省のホームページのPDFで無料で読めます。
法規の問題は、電技と解釈のどちらから多く出ますか?
どちらからも出ます。出題の割合は回によって違うので、電技で目的を、解釈で数値と条件を押さえておくと安心です。
解釈の数値が参考書と違う時はどうすればいいですか?
解釈は改正されることがあります。経済産業省のホームページで最新のPDFを開き、条番号で確かめてみてください。
電技の「低圧」の範囲はいくつですか?
電技第2条で、直流は750V以下、交流は600V以下と決められています。高圧は低圧を超えて7,000V以下、特別高圧は7,000Vを超えるものです。
まとめ
- 電技は守るべき性能を決めた省令、解釈はそれを満たす具体的な数値や施設方法を示した文書
- 電技は3章、解釈は8章。目次をながめて全体の地図を作る
- 数値は「電技 第58条」「解釈 第17条」のように条番号と条件をセットで覚える
- 読む順番は、土台、数値の暗記、場面の決まりの3つのグループで
- 迷ったらe-Gov法令検索と経済産業省のPDFで条文を確かめる
電験三種の全体像は電験とは?で紹介しています。





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