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テキストをひと通り読んで過去問に進んだものの、『解説を読んでも、なぜその式を使うのか分からない』と止まっている方も多いですよね。
結論から言うと、電験3種の理論の過去問は、1問を「公式を選ぶ」「式を立てる」「計算する」の3段階に分けて、どこでつまずいたかを確かめながら解くと伸びやすいです。
この記事を読むと、理論の過去問を年度別に解く時の順番と、解説の読み方のコツが分かります。
電験3種の理論の解説を読む前に|過去問の手に入れ方
電気技術者試験センターのホームページでは、筆記方式の試験問題と解答が公開されています。ただし載っているのは問題と正答だけで、解説はありません。
『過去問はどこで手に入るの?解説は付いてる?』と最初に迷いますよね。
試験センターでは、第三種の筆記方式の試験問題を科目別のPDFで、解答を1つのPDFで公開しています。調べた時点では、最新は令和8年度(2026年度)上期の分で、いちばん古いものは平成21年度(2009年度)の分まで載っていました。
| 公開されているもの | 内容 |
|---|---|
| 試験問題 | 筆記方式の4科目別のPDF |
| 解答 | 正答だけをまとめたPDF |
| 解説 | 公開されていない |
| CBT方式の問題 | 公開されていない |
つまり、電験3種の理論の解説がほしい時は、市販の過去問題集やテキスト、講座の教材を使うことになります。
解説付きの過去問題集を選ぶ時に見るところ
『問題集がたくさんあって、どれを選べばいいか分からない』という方もいますよね。
解説の分かりやすさは人によって感じ方が違うので、書店や見本ページで実際に1問読んでみるのがいちばんです。その時は、次の点を見てみてください。
- 解説に図が多く、回路の描き直しが載っているか
- なぜその公式を使うのかが、言葉で書かれているか
- 途中の式変形が、1行ずつ省かずに書かれているか
- 年度別の並びか、分野別の並びか
- 収録されている年度の範囲が、自分の使い方に合うか
例えば、計算に自信がない方は、式変形が細かく書かれた物を選ぶと、途中で置いていかれにくいですよ。
過去問の入手方法と使い方の全体は、電験三種の過去問で紹介しています。
年度の呼び方をそろえておこう
過去問は、和暦の年度で呼ばれることが多いです。西暦や「H30」のような略し方と行き来できるようにしておくと、教材を探す時に迷いません。
| 和暦の年度 | 西暦の年度 | 試験の回数 |
|---|---|---|
| 平成30年度(H30) | 2018年度 | 年1回 |
| 令和元年度 | 2019年度 | 年1回 |
| 令和2年度 | 2020年度 | 年1回 |
| 令和3年度 | 2021年度 | 年1回 |
| 令和4年度から | 2022年度から | 年2回(上期・下期) |
例えば、電験三種2020理論の問題は令和2年度、電験三種2021理論は令和3年度、電験三種h30理論は平成30年度(2018年度)の理論の問題のことです。令和4年度からは上期と下期があるので、「令和5年度下期」のように回まで指定して探しましょう。
理論の問題は3段階に分けて解く
理論の問題で手が止まる時は、3段階のどこで止まっているかを見ると、何を勉強し直せばよいかが分かります。
『解説を読めば分かるのに、自分では解けない』というのは、よくある悩みですよね。
実は、解説を読んで分かった気になるのは、3段階のうち「計算する」だけを追いかけている時が多いんです。自分で解く時は、最初の「公式を選ぶ」でつまずいています。
| 段階 | やること | つまずいた時のサイン | 戻る先 |
|---|---|---|---|
| 1. 公式を選ぶ | 問題文と図から、使う法則を決める | 何から手をつけるか分からない | テキストの分野のまとめ |
| 2. 式を立てる | 法則に、問題の値や記号を当てはめる | 式の形は分かるが、何を入れるか迷う | テキストの例題 |
| 3. 計算する | 式を解いて数値を出す | 答えが選択肢とずれる | 単位と計算の見直し |

3段階で解く例題
ここでは、自作の例題で3段階の流れを見てみます。
『9Ωの抵抗3本をΔ結線にした回路を、Y結線に直した時の1本あたりの抵抗は?』という問題を考えます。
- 公式を選ぶ:Δ結線からY結線への変換を使うと決める
- 式を立てる:3本が同じ値なら、Y結線の1本は R÷3 になる
- 計算する:9÷3で3Ω
答えは3Ωです。もし1の段階で「Δ-Y変換を使う」と思いつけなかったなら、計算の練習より、どんな時にΔ-Y変換を使うかを読み直すのが近道です。
もう1問:電源が2つある回路
もう1つ、自作の例題で3段階を確かめます。
『内部抵抗のない10Vと4Vの電池を同じ向きに直列にし、6Ωの抵抗をつないだ時の電流は?』という問題です。
- 公式を選ぶ:電源が直列なのでキルヒホッフの電圧の法則を使う
- 式を立てる:同じ向きなので起電力は足し算で 10+4=6×I
- 計算する:14÷6で約2.33A
もし電池の向きが逆なら、起電力は引き算になり、10−4=6×I から電流は1Aです。『向きで足すか引くかが変わる』という所が、2の段階の大事なポイントなんです。
式を立てる段階で迷う時のコツ
式を立てる段階では、図に分かっている値と求める値を書き込むと迷いが減ります。
例えば、抵抗に流れる電流や両端の電圧を、図の上に矢印と一緒に書き込みます。「ここは電圧が10V、ここは電流がI」と見えるだけで、立てる式がはっきりしてきます。
過去問はいつから使い始める?
『テキストを完ぺきにしてから過去問に進むべき?』と悩む方もいますよね。
結論から言うと、テキストの1つの分野を読み終えたら、その分野の過去問をすぐ解いてみるのがおすすめです。例えば直流回路の章を読んだら、その週のうちに直流回路の過去問を何問か解きます。
読んだ内容が試験でどんな形で問われるかが早めに分かると、テキストの読み方も変わってきます。全部を読み終えるまで待たなくて大丈夫ですよ。
過去問を年度別に解く時の順番
最初から年度ごとに解くと、苦手な分野ばかり続いて心が折れやすいです。1周目は分野ごとに解き、2周目から年度ごとに90分を計って解く流れがおすすめです。
『過去問は新しい年から?古い年から?』という質問もよく見かけますよね。
どちらから始めても構いません。ただ、仕上げには新しい年度を使っておくと、今の試験の雰囲気に慣れられて安心です。
| 周回 | 解き方 | 使う年度の例 | ねらい |
|---|---|---|---|
| 1周目 | 分野ごとにまとめて解く | 手元の問題集の全年度 | 分野ごとの解き方の型を覚える |
| 2周目 | 年度ごとに90分で解く | 平成30年度・令和2年度・令和3年度など | 時間内に解き切る練習 |
| 3周目 | 間違えた問題だけ解き直す | 2周目で間違えた年度 | 苦手な型をなくす |
| 仕上げ | 新しい年度を90分で解く | 令和4年度以降の上期・下期 | 今の試験の形に慣れる |
例えば、平成30年度(2018年度)の理論から始めて、令和2年度、令和3年度と進み、最後に令和4年度以降の上期・下期を解く。こうした順番なら、少しずつ新しい年度に近づけます。

上期と下期の問題はどう使う?
令和4年度からは年2回なので、1年度に上期と下期の2回分の問題があります。
『両方解く必要があるの?』と迷うかもしれません。仕上げの段階では、上期と下期を別々の1回分として、それぞれ90分で解いてみてください。新しい年度の問題を、それだけ多く練習できます。
時間を計って解く時のルール
2周目からは、本番と同じ90分で解くのがおすすめです。ルールを決めておくと、練習が本番に近づきます。
- スマートフォンを別の部屋に置き、タイマーだけ使う
- 本番で使う電卓と筆記用具で解く
- 解けない問題は印をつけて飛ばし、最後に戻る
- 90分たったら途中でも手を止める
- 答え合わせは時間外にまとめてやる
年度別に解いた結果の記録
年度別に解いたら、点数だけでなく、間違えた問題を3段階のどこで止まったかで記録しておきましょう。
| 記録する項目 | 書き方の例 |
|---|---|
| 年度と回 | 令和3年度 |
| 点数 | 科目の点数 |
| 間違えた問題の分野 | 交流回路 |
| 止まった段階 | 1. 公式を選ぶ |
| 次にやること | テキストの交流回路のまとめを読み直す |
『点数が上がらない』と感じた時も、この記録を見れば、どの分野のどの段階を直せばいいかがすぐ分かります。
1年分を解いて点数だけ見て、次の年度に進んでしまう方がいます。間違えた問題を解き直さないと、同じ型でまた点を落とすことも。点数より、間違えた問題の解き直しに時間を使いましょう。
解説の読み方をチェックしよう
解説を読む時は、計算の流れより、なぜその公式を選んだのかを探しながら読むのがコツです。
『解説を読んで納得したのに、次の日に解けない』ということ、ありますよね。
次のチェックで、解説の読み方を見直してみてください。
- なぜその公式を選んだのか、手がかりを問題文の中に探す
- 解説の図を、自分のノートに描き写してみる
- 途中の式変形を、自分の手で1行ずつ追いかける
- 読み終えたら解説を閉じて、もう一度自分で解く
- 似た型の問題を、別の年度で探して解く
解説が分からない時の戻り方
解説の途中で、知らない変換や公式が急に出てくることがありますよね。
例えば「インピーダンスのΔ-Y変換」と突然書かれていて、どこから出てきたか分からない。そんな時は、テキストの該当する分野まで戻って、その変換の意味を読み直します。
同じ問題でも、教材によって解説の書き方が違います。どうしても分からない時は、別の問題集の解説や講座の動画で同じ問題を見ると、すっと分かることもあります。
解説を読む前に、まず10分は自分で考える
分からない問題に出会うと、すぐ解説を開きたくなりますよね。
ただ、すぐに答えを見ると、「公式を選ぶ」段階で考える練習ができません。まずは10分ほど、図を描いたり、使えそうな公式を書き出したりしてみてください。
それでも手が出ない時に解説を開けば、「ここで思いつけばよかったのか」と、止まった所がはっきりします。
式変形を追う時のコツ
解説の式変形が分からない時は、1行ずつ「何をしたか」を横に書き込んでみてください。
例えば「両辺にRを掛けた」「分母と分子を入れかえた」のようにメモします。どの行で分からなくなったかがはっきりすれば、そこだけテキストや数学の復習に戻れば済みます。
解説の使い方そのものは、電験3種の解説の使い方でもくわしく紹介しています。
分野ごとの解き方の型を持っておこう
理論の問題は、分野ごとに「この形が出たらこの法則」という型があります。型の一覧を自分で作っておくと、1の段階が速くなります。
『型って言われても、どう作ればいいの?』という方のために、代表的な例を並べます。
| 問題の形 | まず選ぶ法則・考え方 | くわしい記事 |
|---|---|---|
| 抵抗がいくつもつながった回路の電流 | 合成抵抗とオームの法則 | 直流回路 |
| 電源が2つ以上ある回路 | キルヒホッフの法則 | 直流回路 |
| 抵抗の三角形の回路 | Δ-Y変換 | 直流回路 |
| RLCがつながった交流回路 | インピーダンスとベクトル図 | 交流回路 |
| 電流が最大・最小になる条件 | 共振(XL=XC) | 交流回路 |
| 三相の電力 | 相の値に直して3倍 | 三相交流 |
| コンデンサがいくつもつながった回路 | 直列は逆数の和、並列は和 | 静電気 |
| 磁界の中の電線にはたらく力 | フレミングの左手の法則と F = BIL | 電磁気 |
| 電界や磁界の中を動く電子 | 力の向きと円運動 | 電子理論 |
| 電流計の測れる範囲を広げる | 分流器(並列の分流) | 電気計測 |
直流回路の型は電験三種の直流回路、交流回路の型は電験三種の交流回路で紹介しています。
解説の流れを自分の言葉で書き直す
型を自分のものにするには、解説の流れを1〜2行の自分の言葉に書き直すのが効果的です。
例えば「Δの三角形が出たらYに直して、直列と並列だけの回路にする」のように書きます。これがたまると、自分だけの型の一覧になります。
自分で進めるのが不安な時は
解説の読み方が分かっても、ひとりで何年分も回すのは大変ですよね。
質問できる環境や、解き方を動画で見られる講座を使う人もいます。学び方の形を比べてから決めてみてください。
電験ガイド
独学で進めるか、講座を使うか迷っている方へ
電験三種は4科目の範囲が広く、理論や機械の計算でつまずく人も少なくありません。通信・Web動画・DVD・通学など講座の学び方の違いと、比べる時のチェックポイント、資料請求で確かめたい点をまとめました。
講座の選び方電験三種の講座の選び方を見る当サイト内の解説ページに移動します。試験の日程・受験手数料は電気技術者試験センターの案内で最新情報を確認してください。
計算の段階のミスは「見積もり」で防ぐ
3段階目の計算では、答えのおよその大きさを先に見積もっておくとミスに気づきやすくなります。
例えば、6Ωと3Ωの並列の合成抵抗は、小さい方の3Ωより小さくなるはずです。計算して4.5Ωと出たら、どこかで直列の計算をしてしまったと分かります。
理論の解説についてよくある相談
知恵袋でも、電験の理論の解説についての相談がたくさん寄せられています。よくあるものを選んで答えます。
相談1:解説に「共振する」とあるが理由が書いていない
解説を見ても、なぜその回路が共振するのか理由が書かれていない、という相談があります。
直列のRLC回路では、コイルのリアクタンスXLとコンデンサのリアクタンスXCが等しくなると共振します。この時、インピーダンスはRだけになり、電流がいちばん大きくなります。
解説では「共振するので」と一言で済まされていることも多いです。『なぜ?』と思ったら、XL=XCになっている所を問題文の数値で確かめてみてください。
相談2:テキストがもうすぐ終わる。次は何をすればいい?
初学者向けのテキストを読み終わりそうで、次に何をすればいいか、という相談もよく見かけます。
結論から言うと、次は過去問の1周目を分野別に解くのがおすすめです。テキストの章の順に過去問を解くと、読んだ内容がどう出るかがつかめます。
その時、最初から全部解けなくても気にしなくて大丈夫です。むしろ、解けなかった問題こそ3段階のどこで止まったかを記録する材料になります。1周目は「止まった所を見つける周回」と考えて、気楽に進めてみてください。
相談3:解説ではオームの法則で全体の電流を出しているが、なぜ?
解説が、オームの法則で全体の電流を求めて等式を作っている理由が分からない、という相談もあります。
これは3段階の「式を立てる」で止まっている状態です。図に分かっている値と分からない値を書き込み、「どこの電圧とどこの電流が等しいか」を探すと、等式の意味が見えてきます。
相談4:過去問を何十年分も丸暗記すれば合格できる?
理論は過去問を何十年分も丸暗記すれば合格できるのか、という相談もあります。
結論から言うと、答えの丸暗記はおすすめしません。理論は数値や回路の形を変えて出されることが多く、答えを覚えても別の数値では使えないからです。
覚えるなら、3段階の1つ目、「この形ならこの公式」という型です。型なら、数値が変わっても使い回せますよ。
| 相談 | 止まっている段階 | この記事での答え |
|---|---|---|
| 共振の理由が書いていない | 1. 公式を選ぶ | XL=XCを数値で確かめる |
| テキストのあとに何をする? | 進め方 | 過去問を分野別に1周 |
| なぜ全体の電流を出すのか | 2. 式を立てる | 図に値を書き込んで等しい所を探す |
| 丸暗記で受かる? | 1. 公式を選ぶ | 答えでなく型を覚える |
よくある質問
電験3種の理論の過去問の解説はどこで読めますか?
電気技術者試験センターでは問題と正答だけが公開されていて、解説はありません。解説は市販の過去問題集やテキスト、講座の教材で読むことになります。
過去問は何年分解けばいいですか?
決まった年数はありません。分野別に1周してから、年度別に90分で解き、間違えた問題を解き直す流れで、自分が解ける年度を増やしていきましょう。
令和2年度や平成30年度の過去問は今でも役に立ちますか?
役に立ちます。解き方の型を覚える練習に向いています。仕上げには令和4年度以降の上期・下期の問題も解いておきましょう。
CBT方式の問題は手に入りますか?
手に入りません。CBT方式の問題と解答は公開されていないので、筆記方式の過去問を使って練習します。
解説を読んでも分からない問題は飛ばしていいですか?
いったん飛ばして構いません。印をつけておき、テキストで分野を読み直してから戻ると、解けるようになっていることが多いです。
まとめ
- 試験センターで公開されているのは筆記方式の問題と正答だけで、解説はない
- 理論の問題は「公式を選ぶ・式を立てる・計算する」の3段階に分ける
- 1周目は分野別、2周目から年度別に90分で解く
- 間違えた問題は、止まった段階と一緒に記録する
- 解説は、なぜその公式を選んだかを探しながら読む
過去問の公開範囲は変わることがあります。最新は電気技術者試験センターの案内で確かめましょう。





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