当サイトの記事は、編集部が電気技術者試験センター・経済産業省などの公的機関と、各講座・出版社の公式サイトの公開情報を調べて独自に執筆しています。試験の日程・受験手数料・合格基準は年度ごとに変わるため、最新の情報は電気技術者試験センターの受験案内で確認してください。
電験三種を受けようと決めたものの、試験がどんな形で行われるのか、まだよく分からないという方も多いですよね。
結論から言うと、電験三種の試験は理論・電力・機械・法規の4科目で、すべて五肢択一です。年2回あり、申込みの時にCBT方式か筆記方式かを選びます。
この記事を読むと、4科目の範囲と時間、2つの方式の違い、申込みから合格発表までの流れと当日の動きが分かります。
電験三種の試験はどんな試験?まず全体像から
電験三種の試験は、電気技術者試験センターが年2回(上期・下期)行う国家試験です。4科目すべてに合格すると試験合格で、受験資格の制限はありません。
『電験の試験って、記述問題もあるの?』と不安に思っている方もいるかもしれません。
実は、三種の試験は4科目とも五肢択一です。筆記方式ならマークシート、CBT方式ならパソコンで答えます。記述式の問題はありません。
| 項目 | 電験三種の試験の中身 |
|---|---|
| 正式な名前 | 第三種電気主任技術者試験 |
| 実施する機関 | 一般財団法人 電気技術者試験センター(経済産業大臣の指定) |
| 回数 | 年2回(上期・下期)。令和4年度から |
| 科目 | 理論・電力・機械・法規の4科目 |
| 形式 | 五肢択一(筆記はマークシート、CBTはパソコン) |
| 受験資格 | 制限なし(誰でも受けられる) |
| 合格基準 | 各科目とも原則60点(調整あり) |
電験の試験は一種・二種・三種の3つがあります。この記事で扱うのは、受ける人が一番多い三種です。電験三種でできる仕事も含めた全体像は電験三種とは?で紹介しています。
どれくらいの人が受けている?
試験センターの公表では、令和7年度下期の受験者は24,176人でした。そのうちCBT方式が9,516人、筆記方式が14,660人です。
1科目でも出席した人を数えた数字です。CBT方式を選ぶ人も、もう少数派ではないことが分かりますね。
一種・二種の試験とは形が違う
二種と一種の試験は年1回で、一次試験(マークシート)と二次試験(記述式)に分かれています。三種のように1回の試験で4科目を受ける形とは違うので、混ぜないようにしておきましょう。
4科目の出題範囲・問題数・試験時間を1枚で見る
理論・電力・機械はA問題14題・B問題3題、法規はA問題10題・B問題3題です。B問題は1問の中に小問が2つあります。
『4科目って、それぞれ何をどれくらい解くの?』というのが一番気になるところですよね。
試験センターが公表している範囲と問題数、時間を1枚にまとめました。
| 科目 | 主な出題範囲 | 問題数 | 試験時間 |
|---|---|---|---|
| 理論 | 電気理論、電子理論、電気計測及び電子計測 | A問題14題・B問題3題(選択を含む) | 90分 |
| 電力 | 発電所・蓄電所・変電所の設計と運転、送電線路と配電線路(屋内配線を含む)の設計と運用、電気材料 | A問題14題・B問題3題 | 90分 |
| 機械 | 電気機器、パワーエレクトロニクス、電動機応用、照明、電熱、電気化学、電気加工、自動制御、メカトロニクス、情報伝送と処理 | A問題14題・B問題3題(選択を含む) | 90分 |
| 法規 | 電気法規(保安に関するもの)と電気施設管理。「電気設備の技術基準の解釈」を含む | A問題10題・B問題3題 | 65分 |
A問題は1問に1つ答える形です。B問題は1問の中に小問が2つあり、計算をつなげて解くものが多くなります。
機械の情報処理の問題では、プログラム言語としてBASICとC言語が並べて書かれ、どちらか一方で答えられます。

科目ごとにどんな問題が出る?
範囲の言葉だけだとイメージしにくいので、よく扱われる内容を例に挙げてみます。
- 理論:オームの法則やキルヒホッフの法則を使う直流回路、交流回路、三相交流、静電気や磁気、電子の動き、計測器
- 電力:水力・火力・原子力などの発電、変電所の機器、送電線や配電線の電圧降下と損失、電気材料
- 機械:変圧器、誘導機、同期機、直流機、パワーエレクトロニクス、照明、自動制御、論理回路やプログラム
- 法規:電気事業法などの法律、電気設備の技術基準とその解釈、電気施設の管理に関する計算
理論はほかの3科目の土台になる分野です。そのため、理論から勉強を始める人が多いんです。
筆記方式の時間割(令和8年度上期)
筆記方式は1日で4科目を受けます。令和8年度(2026年度)上期の時間割は次のとおりでした。
| 科目 | 時間 |
|---|---|
| 理論 | 9時15分から10時45分 |
| 電力 | 11時25分から12時55分 |
| 機械 | 14時15分から15時45分 |
| 法規 | 16時25分から17時30分 |
法規だけは65分と短く、問題数もA問題10題・B問題3題と少なめです。ほかの3科目と同じペースで解こうとすると時間の感じ方が変わるので、過去問を解く時も本番と同じ時間を計っておくと安心です。
朝から夕方までの長い1日です。お昼の休憩をはさんで集中力を保つ練習も、意外と大事なんです。
科目ごとの勉強の進め方は電験三種の理論から順に紹介しています。
合格基準と科目合格の仕組み
『4科目を一度に受からないとダメなの?』と心配な方も多いはずです。
合格基準は各科目とも原則60点(100点満点)で、難しさによって調整されることがあります。4科目そろえば合格、一部だけなら科目合格です。
電験三種の試験は、科目ごとに合否が決まります。一部の科目だけ合格した場合は「科目合格」となり、申請すれば最大で連続5回まで、その科目の試験が免除されます。
年2回の試験なので、5回はおよそ2年半です。例えば令和8年度上期に科目合格した場合、令和10年度下期まで免除を受けられます。
合格基準が下がった回もある
合格基準は原則60点ですが、調整されることがあります。例えば令和7年度上期(筆記方式)は、機械だけ55点以上でした。
令和7年度下期と令和8年度上期(筆記方式)は、4科目とも60点です。最新は電気技術者試験センターの案内で確かめましょう。
科目合格の免除は、次の申込みの時に自分で申請する必要があります。申請を忘れると、合格した科目も受け直すことになるので気をつけましょう。
科目の取り方の作戦は電験三種の科目合格制度で、合格率の推移は電験三種の合格率と合格者数の推移で紹介しています。
年2回になって受けやすくなった
三種の試験は令和4年度から年2回になり、令和5年度からはCBT方式も始まりました。
経済産業省の資料では、こうした受験機会の広がりもあって、令和4年度以降の第三種の合格者はそれまでの2倍以上に増えたとされています。1回目で届かなくても、半年後にもう一度挑戦できるのは心強いですよね。
CBT方式と筆記方式、どちらを選ぶ?
令和8年度から、申込みの時にCBT方式か筆記方式かを選びます。両方を受けることはできません。
『CBTと筆記、どっちがいいんだろう?』と迷う方は多いですよね。
ここが、この記事でお伝えしたい観点の一つです。どちらが有利かではなく、自分の生活に合う方を選ぶのが大事なんです。
| 比べる点 | CBT方式 | 筆記方式 |
|---|---|---|
| 解答の方法 | 会場のパソコンで解答 | マークシート |
| 日程 | 試験期間の中から自分で予約(令和8年度上期は25日間) | 決まった1日に4科目 |
| 会場 | 全国47都道府県。空きがあればどこでも予約できる | 受験案内で示された会場 |
| 予約 | 申込みとは別に、期間内にマイページで予約が要る。受験票の発送はない | 会場の予約は要らない |
| 結果 | 試験の終わりに得点が表示される | 後日の発表を待つ |
| 問題の公開 | 問題・解答は非公開 | 試験当日に問題と解答を公表 |

自分に合う方式の判定
『自分の場合はどっちだろう』と迷ったら、次の表で近い行を探してみてください。
| こんな人なら | 合いやすい方式 | 理由 |
|---|---|---|
| シフト勤務で土日に休めるとは限らない | CBT方式 | 期間の中から日を選べる |
| 家の近くの会場で受けたい | CBT方式 | 全国47都道府県に会場がある |
| パソコンの画面で長い計算をするのが苦手 | 筆記方式 | 問題用紙に書き込みながら解ける |
| 予約の手続きを忘れてしまいそう | 筆記方式 | 申込みだけで受けられる |
| 終わった後に問題を見直して復習したい | 筆記方式 | 問題と解答が公表される |
迷った時は、こんなふうに考えてみるのも一つの方法です。
「平日休みのシフトだから、日曜の筆記は仕事と重なりそう」
「それならCBT方式で、休みの日に会場を予約するのが合っていますね」
CBT方式の細かい手順や注意点は電験三種のCBT方式とは?でくわしく紹介しています。
CBT方式を選んだのに予約期間内に会場を予約しなかった場合、CBTでも筆記でも受験できません。受験手数料も返ってこないので、申込みのあとは予約の期間をカレンダーに入れておきましょう。
申込みから合格発表までの流れ(令和8年度)
電験三種の受験の申込みは、試験センターのインターネット申込みが原則です。書面での申込みは、やむを得ない事情がある時だけ認められます。
『電験三種に応募するって、何から始めればいいの?』と思った方もいますよね。電験の試験の「応募」は、試験センターへの受験の申込みのことです。
令和8年度(2026年度)の日程に沿って、手順を並べました。
| 手順 | 上期 | 下期 |
|---|---|---|
| 受験の申込み | 5月18日から6月4日 | 11月9日から11月26日 |
| CBT会場の予約 | 6月11日から7月12日 | 12月7日から令和9年1月7日 |
| CBT方式の試験 | 7月16日から8月9日 | 令和9年2月4日から2月28日 |
| 筆記方式の試験 | 8月30日 | 令和9年3月21日 |
上期の筆記試験は終わっています。これから電験3種の受験を考える方は、下期の申込み(11月9日から)が次の機会になります。最新は電気技術者試験センターの案内で確かめましょう。
日程をくわしく知りたい方は電験三種の試験日程を、受験手数料は電験三種の費用を見てみてください。
- 試験センターのホームページから受験の申込みをする
- CBT方式か筆記方式かを選び、科目合格がある人は免除も申請する
- 受験手数料を納める(令和8年度のインターネット申込みは7,700円・非課税)
- CBT方式の人は、予約期間内にマイページで会場と日時を予約する
- 試験を受ける
- 合格発表を確かめ、合格したら免状を申請する
- 上期と下期のどちらを受けるか
- CBT方式と筆記方式のどちらにするか
- 科目合格があれば、免除の申請をするか
- 受験手数料の支払い方法
- CBT方式なら、予約期間のどこで会場を予約するか
受験手数料と支払い方
令和8年度の受験手数料は、インターネット申込みが7,700円、書面申込みが8,100円です。受ける科目の数にかかわらず同じ額で、別に納付の事務手数料がかかります。
個人の支払いは、クレジットカード・コンビニ・ペイジーから選べます。
合格発表の確かめ方
筆記方式は、試験センターのホームページ「合格者一覧の検索」で受験番号を入れて確かめます。CBT方式は、受験日のおよそ2週間後の正午から、マイページで合否を見られます。
令和8年度上期は、8月30日の大雨で福井県会場の試験が延期になりました。そのため合格者一覧の検索は9月25日に変わっています。
合格したら免状の申請へ
合格すると、試験結果通知書と一緒に免状交付申請書が届きます。これを試験センターに出すと、およそ2か月で免状が交付されます。
令和8年度の受験案内では、交付手数料は2,350円(非課税)です。試験に受かった後にも手続きがあることを、頭の片すみに置いておきましょう。
試験の申込みの前に、何から勉強するかで迷っている方は、講座の選び方も見ておくと計画を立てやすくなります。
電験ガイド
独学で進めるか、講座を使うか迷っている方へ
電験三種は4科目の範囲が広く、理論や機械の計算でつまずく人も少なくありません。通信・Web動画・DVD・通学など講座の学び方の違いと、比べる時のチェックポイント、資料請求で確かめたい点をまとめました。
講座の選び方電験三種の講座の選び方を見る当サイト内の解説ページに移動します。試験の日程・受験手数料は電気技術者試験センターの案内で最新情報を確認してください。
受験当日の流れと持ち物
四則演算と√の計算ができる電卓は使えます。関数電卓、数式を記憶できる電卓、スマートフォンは使えません。
『当日、何を持っていけばいいの?』と気になりますよね。忘れ物をすると焦ってしまうので、前の日に確かめておきましょう。
- 筆記方式は受験案内で持ち物を確かめた
- CBT方式は顔写真付きの公的な証明書を持った
- √付きの電卓を持った(関数電卓・印字機能付きは不可)
- 電卓の電池が切れていないか確かめた
- 会場までの行き方と着く時刻を決めた
- CBT方式は予約した日時と会場をもう一度確かめた
電卓は貸してもらえません。音を出すことも禁止です。スマートフォンを電卓の代わりに使うこともできません。
電卓の条件と選び方は電験三種で使える電卓で紹介しています。
筆記方式の1日の動き
筆記方式は、9時15分の理論から17時30分の法規まで続きます。科目の間の休み時間に、次の科目の公式を見直す人も多いです。
例えば、こんな過ごし方が考えられます。
「お昼のあとに機械があるから、休み時間は変圧器と誘導機の式だけ見直そう」
「法規は最後で65分。疲れているから、計算問題を先に解く順番を決めておこう」
科目合格の免除を受けている人は、自分が受ける科目の時間を先に確かめておきましょう。

筆記方式は当日に自己採点できる
筆記方式の問題と解答は、試験の当日、法規の試験が終わった後に試験センターのホームページで公表されます。
『結果発表まで待ちきれない』という方は、公表された解答で答え合わせをしてみてください。問題用紙の扱いなど細かいルールは、受験案内で確かめておきましょう。
CBT方式の当日
CBT方式は、予約した会場に予約した時間に行きます。試験が終わると、その場で得点が表示されます。
CBT方式の問題の内容は、第三者に漏らさないことに同意して受けます。問題と解答も公表されないので、復習したい問題は覚えておくか、自分の言葉でメモに残しておくとよいですね。
電験三種の試験でよくある相談
知恵袋などでは、過去問だけで受かるのか、大学で学んだことが試験に役立つのか、といった質問がよく見られます。
知恵袋などで見かける相談から、3つを選んで答えていきます。
過去問だけ解いて受かる人もいる?
「資格試験で、過去問だけ解いて受かる人はいるのか」という相談がありました。
電験三種の筆記方式の問題と解答は、試験センターのホームページで公開されています。ただ、公開されているのは問題と正答だけで、解説はついていません。
過去問を解く前に、解説のある参考書で考え方をつかんでおくと、答えの理由まで分かるようになります。
また、CBT方式の問題は公開されていません。公開されている筆記方式の過去問で、出題の形に慣れておくのが現実的な準備です。過去問の使い方は電験三種の過去問で紹介しています。
大学の電気の授業は試験に役立つ?
「大学の電気電子工学科で学ぶ内容は、電験の試験範囲に直結するのか」という質問も見かけます。
電気理論や電気機器、送配電などは、試験の範囲と重なる分野です。ただ、法規は電気事業法や技術基準の解釈が範囲なので、別に準備が要ると考えておきましょう。
電験三種の試験と電気主任技術者の試験は同じ?
「電気主任技術者三種と電験三種は同じなのか」という質問もありました。
同じ試験のことです。電験三種は、第三種電気主任技術者試験の呼び名です。資格と選任の関係は電気主任技術者と電験の関係で紹介しています。
よくある質問
電験三種の試験は年に何回ありますか?
令和4年度から年2回(上期・下期)です。令和8年度は、上期の筆記試験が8月30日、下期の筆記試験が令和9年3月21日です。
電験三種の試験に受験資格はありますか?
ありません。学歴や実務経験、年齢の制限はなく、誰でも受けられます。
電験三種の試験は記述式ですか?
4科目とも五肢択一です。筆記方式はマークシート、CBT方式はパソコンで答えます。
CBT方式と筆記方式の両方を受けることはできますか?
できません。令和8年度からは、申込みの時にどちらか一方を選びます。
試験の合格基準は何点ですか?
各科目とも原則60点(100点満点)です。難しさによって調整されることがあり、令和7年度上期は機械が55点以上でした。
まとめ
- 電験三種の試験は年2回で、理論・電力・機械・法規の4科目すべて五肢択一
- 試験時間は理論・電力・機械が90分、法規が65分
- 合格基準は各科目原則60点で、科目合格は申請により最大連続5回まで免除
- 申込みの時にCBT方式か筆記方式かを選び、CBTは別に会場の予約が要る
- 当日は√付きの電卓を持参し、関数電卓やスマートフォンは使えない





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