電験の認定取得とは?学歴と実務経験で免状を得る方法

電験の認定取得について、学歴と実務経験で免状を得る方法を解説する記事のアイキャッチ

当サイトの記事は、編集部が電気技術者試験センター・経済産業省などの公的機関と、各講座・出版社の公式サイトの公開情報を調べて独自に執筆しています。試験の日程・受験手数料・合格基準は年度ごとに変わるため、最新の情報は電気技術者試験センターの受験案内で確認してください。

電験は試験に合格しなくても、学歴と実務経験で取れると聞いて、気になっている方もいますよね。

結論から言うと、電験の認定取得は「認定校で決められた単位を取って卒業し、決められた年数の実務経験を積む」ことで、試験なしで免状を申請できる仕組みです。

この記事を読むと、認定取得に必要な条件と年数、申請先、自分が当てはまるかの確かめ方が分かります。

目次

電験の認定取得とは?試験との違い

先に結論

認定取得は、電気事業法第44条第2項第1号にもとづく道です。経済産業大臣が認定した学校で所定の単位を取って卒業し、実務経験を積むと、試験を受けずに免状を申請できます。

『認定って、試験よりずっと楽な抜け道なの?』と思った方もいるかもしれません。

実は、認定は「学校で学んだこと」と「現場での経験」で力を確かめる、もう一つの正式なルートなんです。そのぶん、学歴の条件と年数の条件の両方を満たす必要があります。

比べる点試験で取る認定で取る
学歴の条件なし(誰でも受けられる)認定校で所定の単位を取って卒業
実務経験免状の申請には要らない種類と学歴ごとに決まった年数が要る
確かめ方理論・電力・機械・法規の試験卒業の証明と実務経験の証明
申請先電気技術者試験センター各地域の産業保安監督部(署)電力安全課など
交付手数料2,350円(非課税)6,600円(非課税)

手数料は令和8年度(2026年度)の受験案内に載っている数字です。最新は電気技術者試験センターの案内で確かめましょう。

認定のよいところと気をつけたいところ

認定と試験には、それぞれ向き不向きがあります。先に両方を並べておきますね。

認定で取るよいところ
  • 試験を受けなくても免状を申請できる
  • 学校で学んだ内容と現場の経験がそのまま生きる
  • 経験を積むほど二種・一種への道も開ける
認定で気をつけたいところ
  • 認定校の卒業と単位が前提になる
  • 対象の設備で決まった年数の経験が要る
  • 実務経験の中身を勤め先に証明してもらう必要がある

どちらの道でも、交付されるのは電気主任技術者の免状です。免状と選任の関係は電気主任技術者と電験の関係で紹介しています。

認定取得に必要な実務経験は何年?

年数は「種類」と「学歴」で決まる

経済産業省の資料では、第三種は大学卒で1年、短大・高専卒で2年、高校卒で3年の実務経験が目安として示されています。

『自分の場合は何年かかるの?』というのが一番知りたいところですよね。

経済産業省の電気保安制度ワーキンググループ資料(令和8年2月)にある年数を表にしました。

取りたい種類学歴・持っている免状必要な実務経験対象の設備
第三種認定校(大学)卒業1年電圧500V以上
第三種認定校(短大・高専)卒業2年電圧500V以上
第三種認定校(高校)卒業3年電圧500V以上
第二種認定校(大学)卒業3年電圧1万V以上
第二種認定校(短大・高専)卒業5年電圧1万V以上
第二種第三種の免状を持っている5年電圧1万V以上
第一種認定校(大学)卒業5年電圧5万V以上
第一種第二種の免状を持っている5年電圧5万V以上

卒業前の実務経験は、実際の期間の2分の1を加えられます。

例えば、認定校の工業高校を出てビルの電気設備の保守に就いた人なら、第三種には電圧500V以上の設備で3年の経験が目安、という読み方になります。

卒業前の経験を加える時の考え方

卒業前の実務経験は、実際の期間の2分の1として数えます。仮に卒業前に対象の設備で1年働いていたなら、加えられるのは半年分という計算です。

ただ、卒業前の経験がどこまで実務経験と認められるかは、仕事の中身しだいです。自分で数えた年数だけで判断せず、申請の前に産業保安監督部へ確かめておきましょう。

二種・一種も認定で取れる

年数の表を見ると、第二種と第一種にも認定の道があります。三種の免状を持っている人なら、1万V以上の設備で5年の経験を積むと二種を、二種の免状で5万V以上の設備で5年の経験を積むと一種を目指せます。

『三種を取ったら、次は二種の試験を受けるしかない』と思っていた方もいるかもしれません。実は、仕事の中で経験を積んで上の種へ進む人もいるんです。

電験の認定取得の道を、認定校での単位の修得、卒業、実務経験、産業保安監督部への申請、免状の交付の順に上から並べた図解

「実務経験」として数えられる仕事か

年数だけでなく、その仕事が実務経験として認められるかも大事です。免状交付の運用は、経済産業省の「電気主任技術者免状交付に係る運用について」(令和5年9月1日最終改正)に定められています。

原文は経済産業省の運用の資料(PDF)で読めます。自分の仕事が当てはまるか迷ったら、申請先の産業保安監督部に早めに聞いてみてください。

単位が足りない時はどうする?

足りない単位は試験の科目で補える

認定校を出ても単位が足りない場合、足りない単位にあたる試験科目に合格すれば、その単位を取ったものとみなされます。

『認定校を出たけど、必要な科目を全部は取っていなかった』という方も意外と多いはずです。

第三種の場合、補える試験科目の組み合わせは受験案内に決まっています。

足りない単位の組み合わせ合格すればよい試験科目
1科目分電力・機械・法規のうち、あてはまる1科目
2科目分(電力と法規)電力と法規
2科目分(機械と法規)機械と法規

つまり、4科目すべての試験を受け直す必要はないんです。自分の成績証明書で、どの単位が足りないかを先に確かめておきましょう。

例えば、法規にあたる単位だけが足りないなら、試験で法規の1科目に合格すればよいことになります。

『理論から全部勉強し直さないといけないの?』と不安になっていた方も、まずは足りない科目だけに絞って準備できますね。科目ごとの合格の仕組みは電験三種の科目合格制度で紹介しています。

認定校は減っている

経済産業省の資料では、第三種を取れる認定校は減る傾向にあります。令和3〜6年度に廃止の届出があった認定校は、合わせて31校です。

これから進学先を選ぶ方は、志望校が今も認定校か、学校の案内で確かめておくと安心です。

認定を目指す人の確認チェックリスト

3つの条件を同時に満たす

認定取得は「認定校の卒業」「所定の単位」「対象の設備での実務経験」の3つがそろって初めて申請できます。

『自分が当てはまるのか、何から確かめればいいの?』と迷いますよね。

ここが、この記事でお伝えしたい一番の観点です。条件を順番に見ていけば、試験と認定のどちらを目指すかを決められます。

認定取得の前に確かめること
  • 卒業した学校が電気主任技術者の認定校か
  • 卒業した時の学科が認定の対象だったか
  • 必要な単位をすべて取っているか
  • 取りたい種類の対象電圧以上の設備で働いているか
  • 実務経験の年数が足りているか
  • 勤め先に実務経験を証明してもらえるか

例えば、こんな相談の場面がよくあります。

「認定校の電気科を出たけど、今は事務の仕事なんです」
「それなら、まず電気設備の仕事に就いて経験を積むか、試験で取るかを比べてみましょう」

試験には受験資格の制限がありません。実務経験を積むのに時間がかかりそうなら、試験を受けながら経験を積む方法もあります。

試験と認定、どちらを目指す?判定表

自分の状況に近い行を探してみてください。

今の状況目指しやすい道理由
認定校を出て、単位もそろい、対象の設備で働いている認定年数がたてば申請できる
認定校を出たが、単位が少し足りない認定(試験科目で補う)足りない科目だけ合格すればよい
認定校を出ていない試験認定の前提を満たさない
認定校を出たが、電気設備の仕事に就いていない試験、または転職して認定経験がないと申請できない
早く免状がほしい試験も並行試験は受験資格の制限がない
認定取得と試験の両方を考える人のために、学歴・単位・実務経験の3つの条件を順に確かめて、認定か試験かを決める判定の流れを示した図解

申請の流れ

条件がそろったら、次の順番で進みます。

認定による免状の申請
  1. 卒業証明書と単位の分かる書類を用意する
  2. 勤め先に実務経験の証明を書いてもらう
  3. 地域の産業保安監督部(署)電力安全課などに申請する
  4. 交付手数料6,600円を納める
  5. 免状の交付を受ける

申請の書類では、勤め先に実務経験を証明してもらう場面があります。異動や転職をする前に、それまでの経験を誰に証明してもらうかを決めておくと、後で慌てずにすみます。

試験に合格した場合の申請の流れは電験三種の取得までの流れで紹介しています。

実務経験を積める職場を探したい方は、電気設備の仕事に強い転職支援も役に立ちます。

電験ガイド

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電気主任技術者の求人は、ビルの設備管理や工場、電気保安の仕事など職場によって探し方が変わります。設備管理・建設の分野に特化した転職支援サービスで、資格や経験に合う求人を相談してみましょう。

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求職者の利用は無料と公式サイトに記載があります。求人の内容は公式サイトで確かめてください。

電験の認定取得でよくある相談

相談は「年数の数え方」と「二種への道」

知恵袋などでは、実務経験の年数の数え方や、三種から二種を認定で取る方法についての質問がよく見られます。

知恵袋などで見かける相談から、3つを選んで答えていきます。

単位はあるけど実務経験がない

「電験三種の認定に必要な単位は取ったが、実務経験がない」という相談がありました。

認定には対象の設備での実務経験が要るので、まずは電圧500V以上の設備に関わる仕事に就くことが出発点です。経験のない人が職場を探す方法は実務経験を積む道で紹介しています。

三種から二種を認定で取りたい

「試験で三種を取ってビル管理で働いている。将来は二種を認定で取りたい」という相談も見かけます。

経済産業省の資料では、第三種の免状を持つ人が電圧1万V以上の設備で5年の実務経験を積むと、第二種を認定で取る道があります。二種の試験そのものは電験二種とは?で紹介しています。

高校卒で実務3年。実際には何年かかる?

「認定で三種を取りたいが、自分の学歴だと実務3年。実際には何年働けば取れるのか」という相談もよく見かけます。

表の年数は、対象の設備で保安に関わる仕事をした期間です。勤めた年数そのものではないので、配属先や仕事の中身によっては、数えられる期間が短くなることもあります。

入社した時から、どの設備でどんな仕事をしたかを記録しておくと、申請の時に勤め先も証明を書きやすくなりますよ。

認定で取る時に面接はある?

「三種を認定で取る時に面接があると聞いたが、何を聞かれるのか」という質問もありました。

申請の時にどんな確認があるかは、この記事の調べた範囲では分かりませんでした。申請先の産業保安監督部に直接聞いておくのが確実です。

よくある質問

電験の認定取得とは何ですか?

認定校で所定の単位を取って卒業し、決められた年数の実務経験を積んだ人が、試験を受けずに免状を申請できる仕組みです。

認定取得で第三種を取るには何年の実務経験が要りますか?

経済産業省の資料では、認定校の大学卒で1年、短大・高専卒で2年、高校卒で3年です。対象は電圧500V以上の設備での経験です。

認定の申請はどこにしますか?

試験センターではなく、各地域の産業保安監督部(署)の電力安全課などに申請します。交付手数料は6,600円です。

認定校を出ていなくても、実務経験だけで認定を受けられますか?

第三種の認定は、認定校で所定の単位を取って卒業することが前提です。認定校を出ていない場合は、試験で取る道を考えましょう。

認定で取った免状と試験で取った免状は違いますか?

どちらも同じ種類の電気主任技術者免状です。違うのは、免状を得るまでの道と申請先です。

まとめ

この記事の要点
  • 電験の認定取得は、認定校の卒業と実務経験で試験なしに免状を得る道
  • 第三種の実務経験は大学卒1年・短大高専卒2年・高校卒3年が目安
  • 足りない単位は、あてはまる試験科目の合格で補える
  • 申請先は産業保安監督部(署)で、交付手数料は6,600円
  • 条件が合わなければ、受験資格の制限がない試験で取る道もある
電験ガイド

電験ガイド 編集部

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