電験三種の対策|合格するには何から?勉強の進め方と手順

電験三種の対策として、合格までの勉強の進め方と試験対策の手順を解説する記事のアイキャッチ

当サイトの記事は、編集部が電気技術者試験センター・経済産業省などの公的機関と、各講座・出版社の公式サイトの公開情報を調べて独自に執筆しています。試験の日程・受験手数料・合格基準は年度ごとに変わるため、最新の情報は電気技術者試験センターの受験案内で確認してください。

電験三種を受けると決めたものの、何から手をつければいいのか分からず、参考書の前で止まっている方も多いですよね。

結論から言うと、電験三種の対策は「数学の土台、理論、残り3科目、過去問、直前」の順に進めるのが近道です。どの順で何をやるかを先に決めておくと、迷う時間がぐっと減ります。

この記事を読むと、合格までの5段階の手順と、1発合格を狙う作戦・科目合格で進める作戦の選び方が分かります。

目次

電験3種に合格するには?まず試験の形を知る

先に結論

電験三種は理論・電力・機械・法規の4科目で、各科目とも原則60点が合格の目安です。科目ごとに合否が決まるので、全部を一度に取らなくても合格に近づけます。

『電験3種に合格するには、何時間くらい勉強すればいいの?』と気になる方もいますよね。

ただ、必要な時間は、数学や電気の経験によって大きく変わります。まずは、相手にする試験の形をつかんでおきましょう。

項目中身
科目理論・電力・機械・法規の4科目
試験時間理論90分、電力90分、機械90分、法規65分
出題形式各科目とも五肢択一。A問題とB問題がある
合格基準各科目とも原則60点(難しさで調整されることがある)
科目合格合格した科目は申請により最大で連続5回まで免除
試験の回数年2回(上期・下期)。令和8年度からは申込み時にCBTか筆記かを選ぶ
受験資格制限なし

この表は、電気技術者試験センターの令和8年度(2026年度)の受験案内をもとにしています。最新は電気技術者試験センターの案内で確かめましょう。

合格率は高くない。だから順番が大事

試験センターの公表では、令和7年度(2025年度)下期の合格率は13.1%でした。簡単な試験ではありません。

ただ、科目合格の制度があるので、4科目を少しずつそろえていく人もたくさんいます。合格率の推移は電験三種の合格率と合格者数の推移で紹介しています。

合格までの5段階の手順表

電験三種の対策は5つの段階に分けて進める

「基礎の数学」「理論」「残り3科目」「過去問」「直前」の5段階です。前の段階が次の段階の土台になる順番になっています。

ここが大事なところです。電験三種の試験対策で一番もったいないのは、順番を決めずに4科目を同時に少しずつ進めてしまうことなんです。

『全部同時にやった方が早いんじゃない?』と思うかもしれません。でも、理論の計算ができないうちに電力や機械の計算問題に進むと、同じ所で何度もつまずいてしまいます。

段階やることできたら次へ進む目安
1. 基礎の数学分数・比・平方根・三角関数・ベクトル・複素数の復習参考書の例題の式変形でつまずかない
2. 理論直流回路、交流回路、静電気、電磁気、三相交流理論の基本問題を自力で解ける
3. 残り3科目電力・機械・法規の参考書を1周各科目の用語と主な式を説明できる
4. 過去問年度ごとに解き、間違えた所を参考書に戻って直す時間内に解いて60点前後が取れる
5. 直前弱い分野の見直し、時間配分の練習、暗記の総まとめ本番と同じ時間で解き切れる
電験三種の合格までを、基礎の数学・理論・残り3科目・過去問・直前の5段階で階段のように示した手順の図解

段階1と2で全体の半分の時間を使ってもいい

理論の計算は、電力・機械・法規の計算問題でもそのまま使います。そのため、最初の2段階に時間がかかっても、後で取り戻せることが多いです。

例えば、仕事のあと平日に1時間、土日に3時間とれる、ビルメンテナンス2年目の方なら、最初の数か月は数学と理論だけに絞るのも一つの作戦です。

数学に不安がある方の始め方は電験3種は初心者でも取れる?で詳しく紹介しています。

職場の先輩に聞くと、こんな答えが返ってくるかもしれません。

「電力と機械の参考書も、もう開いた方がいいですか」
「理論の基本問題が解けるまでは、理論だけでいいと思うよ。その方が後が速いから」

段階3は「1周目は浅く速く」

電力・機械・法規は範囲が広いので、1周目から完璧を目指すと時間が足りなくなります。1周目は「どんな分野があるか」をつかむことを目標にしてみてください。

2周目以降に、過去問を解きながら理解を深めていく方が効率的です。

段階4と5は「解き直し」に時間をかける

過去問の段階に入ると、新しい問題を次々に解きたくなりますよね。ただ、点が伸びるのは、間違えた問題を解き直した時なんです。

1年度分を解いたら、同じくらいの時間を見直しにかけるつもりで計画しておきましょう。直前の段階では、新しい年度を解くより、印をつけた問題の解き直しを優先します。

1週間の勉強時間の作り方の例

『まとまった時間がとれない』という方は、1週間の中で役割を分けてみてください。例えば、こんな分け方があります。

時間帯やること
平日の朝や通勤中法規の数値や公式の暗記、前日の見直し
平日の夜参考書を読み、例題を2〜3問解く
休日のまとまった時間過去問や計算問題を時間を計って解く
週の終わり1週間で間違えた問題だけを解き直す

短い時間は暗記、長い時間は計算、と決めておくと、すき間の時間も無駄になりません。

1発合格を狙うか、科目合格で進めるか

自分の時間と経験で作戦を選ぶ

4科目を1回で狙う作戦と、科目合格を使って2〜3回で取る作戦があります。どちらが正しいかではなく、使える時間で選ぶのがコツです。

『電験3種に1発合格したいけど、無理をしすぎて全部落ちるのは怖い』という方も多いですよね。

科目合格の免除は、申請により最大で連続5回まで続きます。年2回の試験なので、およそ2年半のあいだに4科目をそろえれば合格になります。

4科目を1回で狙う作戦が向く人
  • 平日も休日もまとまった勉強時間がとれる
  • 学校や仕事で電気や数学に慣れている
  • 短い期間で資格を取りたい理由がある
  • 1回で全部取れなくても、取れた科目を次に活かす気持ちがある
科目合格で進める作戦が向く人
  • 仕事や家庭の都合で勉強時間が限られている
  • 数学や電気の勉強が久しぶり
  • 1科目ずつ確実に積み上げたい
  • 長く続けられる計画の方が安心できる

作戦を決める時の判定

どちらの作戦にするか迷ったら、次の質問に「はい」がいくつあるか数えてみてください。

4科目を1回で狙えるかの判定
  • 試験までに、平日も休日も勉強時間を確保できる
  • 高校までの数学(三角関数・ベクトル)がだいたい分かる
  • 仕事や学校で電気回路に触れたことがある
  • 試験日までに4科目の参考書を2周以上できそう

「はい」が3つ以上なら、4科目を1回で狙う作戦も十分考えられます。2つ以下なら、科目合格で進める作戦から始めて、手応えを見て次の回で増やすのも一つの方法です。

2つの作戦の受け方の例

作戦ごとに、どの回で何を受けるかの例を並べてみました。あくまで一例なので、自分の得意・不得意で入れ替えてください。

作戦1回目2回目3回目
1回で狙う4科目残った科目残った科目
2科目ずつ理論と法規電力と機械残った科目
理論から積み上げる理論電力と法規機械と残った科目

科目合格を使う時は、免除を受けたい科目について、申込みの時に免除申請をします。免除は自動ではないので注意しておきましょう。

科目の取り方は電験三種の科目合格制度、月ごとの計画の立て方は電験三種の勉強計画で紹介しています。

科目ごとの試験対策の要点

科目ごとに「点を取る型」が違う

理論は計算、電力は暗記と計算の両方、機械は範囲の広さ、法規は条文の数値と時間の短さがポイントです。

4科目は、同じやり方で勉強すると効率が落ちます。科目ごとの特徴を押さえて、対策を変えていきましょう。

科目試験時間特徴対策の要点
理論90分計算問題が中心。ほかの科目の土台基本の式を使う問題を数多く解く
電力90分発電・変電・送配電。暗記と計算が混ざる設備の仕組みを図で覚え、計算は型を作る
機械90分範囲が広い。電気機器から制御・情報まで変圧器・誘導機など主な機器を先に固める
法規65分条文の数値と施設管理の計算数値を表にまとめ、計算問題の型を覚える

理論の対策

理論は、直流回路から始めて、交流回路、三相交流へと進むのがおすすめです。直流回路の考え方が、交流回路でもそのまま使えるからです。

『交流のベクトルがどうしても分からない』という方は、いったん数学の三角関数と複素数に戻ってみてください。数学の復習だけで、急に分かるようになることもあります。

電力・機械・法規の対策

電力は、発電所や変電所の仕組みを図で覚えると、文章問題も計算問題も解きやすくなります。機械は、変圧器・誘導機・同期機・直流機などの電気機器を先に固め、後から照明や制御に広げていきます。

法規は、電気設備技術基準と解釈の数値が多く出ます。数値は条件とセットで表にしておくと、ひっかけの選択肢に強くなりますよ。

法規にはB問題を中心に、力率改善や需要率などの計算問題もあります。暗記だけの科目と思わずに、理論の交流の電力の考え方を見直してから取りかかると、計算問題で慌てずに済みます。

電卓は、四則演算と√の計算ができるものが使えます。関数電卓やスマートフォンは使えないので、勉強の最初から本番で使う電卓に慣れておきましょう。

機械の情報処理のプログラム言語

機械の情報処理の問題で出てくるプログラム言語は、BASICとC言語が併記されていて、どちらか一方で解答できます。両方を覚える必要はありません。

どの科目から受けるかの考え方

科目合格で進める場合、最初にどの科目を受けるかで迷いますよね。よく選ばれるのは、ほかの科目の土台になる理論から始める方法です。

一方で、電気の仕事をしていて設備に慣れている方なら、電力や法規の方が入りやすいこともあります。自分の経験と相性で決めてかまいません。

過去問の使い方と直前の対策

過去問は「解く、直す、もう一度解く」

過去問は答えを覚えるためではなく、自分の弱い所を見つけるために使います。間違えた問題は参考書に戻って理解し直しましょう。

試験センターは、筆記方式の試験問題と解答をホームページで公開しています。公開されているのは問題と解答だけで、解説は付いていません。

また、CBT方式の問題と解答は公開されていません。過去問は筆記方式で出された問題を使うことになります。

過去問を使った試験対策の手順
  1. 1年度分を時間を計って解く
  2. 答え合わせをして、間違えた問題に印をつける
  3. 間違えた問題は、参考書の該当ページに戻って理解し直す
  4. 数日後に、印をつけた問題だけ解き直す
  5. 次の年度へ進み、同じことを繰り返す

過去問の入手方法と年度ごとの使い方は電験三種の過去問で紹介しています。

過去問を時間を計って解き、間違えた問題を参考書に戻って直し、数日後に解き直す流れを示した図解

直前の1か月でやること

直前期は、新しいことに手を広げるより、これまでの間違いを見直す時期です。法規の数値や、公式の総まとめもこの時期にもう一度確かめておきましょう。

令和8年度(2026年度)下期は、CBT方式が令和9年2月4日から2月28日、筆記方式が令和9年3月21日の予定です。申込みは令和8年11月9日から11月26日までです。最新は電気技術者試験センターの案内で確かめましょう。

直前期のチェック
  • 本番と同じ時間で、過去問を最後まで解き切れる
  • 間違えた問題の印が、ほとんど消えている
  • 法規の数値を、条件とセットで言える
  • √付きの電卓の使い方に慣れている
  • CBT方式なら、会場の予約を済ませている

CBT方式と筆記方式、対策で気をつける所

令和8年度からは、申込みの時にCBT方式か筆記方式かを選びます。両方を受けることはできません。

比べる点CBT方式筆記方式
解答のしかたパソコンで解答マークシート
日時と会場予約期間内に自分で予約決められた試験日に受ける
当日の持ち物受験票の発送なし。顔写真付きの公的な証明書が要る受験案内で確かめる
得点試験終了時に画面に表示後日の発表を待つ
問題の公開公開されない試験当日に問題と解答が公表される

CBT方式を選ぶ方は、パソコンの画面で長い問題文や図を読む練習をしておきましょう。筆記方式を選ぶ方は、1日で4科目を受ける時間割に体を慣らしておくと安心です。

パソコンが並んだ静かな試験会場の席と、手元の√付きの電卓とメモ用紙の様子を写した写真

CBT方式の会場予約は、申込みとは別に予約期間内に自分で行います。予約が済んでいないと受験できないので、日程は電験三種の試験日程で早めに確かめておきましょう。

電験三種の対策でよくある相談

相談の多くは「過去問だけで足りるか」と「何から並行するか」

知恵袋でも、電験三種の試験対策についての相談はとても多いです。その中から3つを選んで答えます。

相談1:過去問を何年分も丸暗記したのに不合格だった

過去問を長い年数分、丸暗記して受けたのに不合格だった、という相談です。

過去問の答えを覚えるだけでは、数値や条件が少し変わった問題に対応できません。似た問題でも、問われ方が変わると別の問題になるんです。

過去問は「なぜその答えになるか」を説明できるまで理解するのがおすすめです。説明できる問題が増えるほど、初めて見る問題にも強くなりますよ。

相談2:数学の復習と並行して勉強できることは?

忘れている数学から勉強しているが、並行して何かできないか、という相談です。

数学の復習と並行しやすいのは、理論の直流回路と、法規の用語の読み込みです。直流回路は分数や比の計算の練習にもなります。

一方で、交流回路や三相交流は、三角関数や複素数の復習が終わってからの方がスムーズです。順番を意識して並べてみてください。

相談3:直前に何をすればいい?(機械と法規を受ける場合)

試験まで残りわずかで、機械と法規を受けるが何をするべきか、という相談です。

直前は、過去問で間違えた問題の見直しを中心にするのがおすすめです。機械は変圧器や誘導機など主な機器の計算問題を、法規は数値と計算問題の型を確かめておきましょう。

法規は65分と短いので、時間を計って解く練習も入れておくと安心です。『あと1週間しかない』と焦る時ほど、新しい問題集には手を出さない方が落ち着いて試験に臨めます。

相談4:残り2週間で1科目だけ受かるなら、どれを選ぶ?

試験まで2週間しかないので、1科目だけでも受かりたいが、どの科目がよいか、という相談です。

結論から言うと、これまでにいちばん勉強が進んでいる科目に絞るのがおすすめです。2週間で新しい科目を一から始めるのは大変だからです。

どの科目もほとんど手をつけていない場合は、今回は試験の雰囲気と時間配分を知る回と考えてみてください。科目合格の免除は申請で続くので、次の回に向けた計画を立て直す方が結果につながりやすいですよ。

独学で進めるか、講座を使うか

どちらも正当な選択肢。続けられる方を選ぶ

電験三種は独学で合格する人も、講座を使って合格する人もいます。自分が続けやすい形を選ぶことが一番の対策です。

『独学で大丈夫かな、講座を使った方がいいのかな』と迷う方も多いですよね。

独学は、自分のペースで進められて、費用をおさえやすいのがよい所です。講座は、勉強の順番や教材がそろっていて、質問できる仕組みがあるものもあります。

勉強仲間との間で、こんな会話になることもありそうです。

「参考書を3冊買ったけど、どれから読めばいいか分からなくなって」
「迷う時間が長いなら、順番が決まっている講座を一度調べてみるのもいいかもね」

電験ガイド

独学で進めるか、講座を使うか迷っている方へ

電験三種は4科目の範囲が広く、理論や機械の計算でつまずく人も少なくありません。通信・Web動画・DVD・通学など講座の学び方の違いと、比べる時のチェックポイント、資料請求で確かめたい点をまとめました。

講座の選び方電験三種の講座の選び方を見る

当サイト内の解説ページに移動します。試験の日程・受験手数料は電気技術者試験センターの案内で最新情報を確認してください。

独学の進め方は電験三種は独学で合格できる?、講座の比べ方は電験三種の講座の選び方で紹介しています。

よくある質問

電験三種の対策は、どの科目から始めればいいですか?

理論からがおすすめです。理論の計算は電力・機械・法規でも使う土台になります。数学に不安があれば、その前に数学の復習をしておきましょう。

電験3種に1発合格するのは難しいですか?

4科目を1回でそろえるには、まとまった勉強時間が必要です。時間が限られている方は、科目合格を使って2〜3回で4科目をそろえる作戦も考えてみてください。

過去問だけで合格できますか?

過去問は大事ですが、答えを覚えるだけでは足りないことがあります。間違えた問題を参考書に戻って理解し直すところまでやるのがおすすめです。

勉強を始める前にそろえておくものはありますか?

参考書と過去問のほかに、√の計算ができる電卓を用意しておきましょう。関数電卓は試験で使えないので、本番と同じ種類の電卓で練習するのがおすすめです。

CBT方式と筆記方式、対策は変わりますか?

試験の科目や出題形式は同じです。CBT方式を選ぶ方は、パソコンの画面で問題を読む練習をしておくと安心です。

まとめ

この記事の要点
  • 電験三種は4科目で、各科目とも原則60点が合格の目安。科目合格の制度もある
  • 試験対策は、基礎の数学・理論・残り3科目・過去問・直前の5段階で進める
  • 1発合格を狙うか、科目合格で進めるかは、使える時間で選ぶ
  • 過去問は丸暗記せず、間違えた問題を参考書に戻って理解し直す
  • 独学も講座も正当な選択肢。続けやすい方を選ぶ

電験の全体像は電験とは?で紹介しています。

電験ガイド

電験ガイド 編集部

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