電験三種を活かす転職|求人の探し方と転職サービスの使い方

電験を活かす転職先の種類と、求人の探し方・転職サービスの使い方を紹介する記事のアイキャッチ

当サイトの記事は、編集部が電気技術者試験センター・経済産業省などの公的機関と、各講座・出版社の公式サイトの公開情報を調べて独自に執筆しています。試験の日程・受験手数料・合格基準は年度ごとに変わるため、最新の情報は電気技術者試験センターの受験案内で確認してください。

電験三種に受かった方や、勉強中の方なら、『この資格で転職できるのかな』と一度は考えますよね。

結論から言うと、電験を活かす転職は、転職先の種類を知って、求人票で「選任されるまでの道」を確かめるのがコツです。資格があるだけで決まるわけではなく、どんな受け持ち方の職場を選ぶかで、その先の経験の積み方が大きく変わります。

この記事を読むと、電験の転職先の種類と、求人の探し方、転職サービスとハローワークの使い分け、面接の準備が分かります。

目次

電験を活かす転職先はどこ?4つの種類で比べる

先に結論

電験三種を活かす転職先は、大きくビルメンテナンス、工場の設備部門、電気保安協会・電気保安法人、太陽光など再生可能エネルギーの発電設備の4つに分けられます。

『電験の転職先って、結局どこがあるの?』という方も多いはずです。

電気主任技術者は、事業用電気工作物の保安を監督するために選任される人です。選任される職場ごとに、転職先を4つに分けて並べました。

転職先主な仕事受け持ち方向いている人
ビルメンテナンスビルの電気・空調・給排水などの運転と管理1つの建物に常駐、または巡回建物の設備を幅広く見たい人
工場の設備部門受電設備と生産設備の保全1つの工場に常に勤務ものづくりの現場が好きな人
電気保安協会・電気保安法人外部委託で複数の事業場の点検・監督複数の事業場を回るいろいろな設備を見て経験を広げたい人
再エネの発電設備太陽光などの発電所の保安複数の発電所を回ることが多い発電設備に関わりたい人

経済産業省の資料では、令和5年1月末時点で選任の形の91%が外部委託でした。電気保安協会や保安法人は、電験を活かす転職先の大きな受け皿なんです。

仕事の中身そのものは電験三種でできる仕事でくわしく紹介しています。

ビルメンテナンスへの転職

厚生労働省の職業情報サイトjob tagでは、ビル施設管理を、オフィスビルや商業ビルの電力設備・空調・給排水などを運転・管理する職業としています。中途採用では、資格を持っていることが求人の条件になることが多いとも書かれています。

電気だけでなく空調や給排水も担当することが多いので、『電気だけを見たい』という方は、求人の仕事内容をよく読んでおきましょう。

工場の設備部門への転職

工場では、自社の社員として常に勤務し、受電設備と生産設備の保全をあわせて受け持つ形が多くなります。関東東北産業保安監督部の届け出の記載例にも、自社の社員が事業場に常に勤務して設備の管理をする形が載っています。

『電気の保安だけでなく、機械の保全もやるの?』と思う方もいますよね。工場によって担当の分け方が違うので、面接で受け持つ範囲を確かめておきましょう。

電気保安協会・電気保安法人への転職

外部委託の受け手の内訳(令和4年3月末時点)は、電気保安協会47%、電気管理技術者協会23%でした。協会に入っていない電気管理技術者が18%、保安協会以外の保安法人が12%です。

例えば関東電気保安協会は、電気主任技術者補助(検査員補)を募集しています。補助の業務で3年ほど経験を積んでから、協会の電気主任技術者としてお客さまを受け持つ前提だと説明しています。

再エネの発電設備への転職

経済産業省の資料では、太陽電池発電設備の設備量が10年で約6倍に増えています。保安協会などが外部委託で受け持つ太陽電池発電所も、約14,000件から約32,000件へと増えました。

発電所は広い範囲に点在していることが多いので、移動の多さも含めて考えておくと安心です。

どの転職先が合う?迷った時の判定表

『4つとも気になって決められない』という方は、次の問いに答えてみてください。当てはまる答えが多い転職先から見ていくと、求人を絞りやすくなります。

問いはいの場合いいえの場合
1つの場所で腰を落ち着けて働きたい?ビルメンテナンスの常駐、工場電気保安協会・保安法人、再エネ
電気以外の設備も見てみたい?ビルメンテナンス電気保安協会・保安法人
将来、独立も考えたい?電気保安協会・保安法人で経験を積むどの転職先でもよい
車での移動は苦にならない?電気保安協会・保安法人、再エネビルメンテナンスの常駐、工場

例えば、平日の夜は家族と過ごしたいという方なら、呼び出しの当番の決まりも判定に入れておきましょう。

電験の転職市場はどうなっている?

人材の需給は「足りない」とも「足りる」とも言い切れない

経済産業省は、制度の見直しなどで令和12年度までに不足は生じない見込みとしつつ、設備の増加で需給の差が広がるおそれもあるとしています。

『電験の転職は売り手市場って聞くけど、本当?』と気になる方もいますよね。

経済産業省の資料から、転職を考える時に知っておきたい点を並べました。

公表されていること転職を考える時の読み方
免状の取得者は令和5年度以降、第三種がそれまでの2倍以上に増えた資格を持つ人が増え、資格だけでは差がつきにくくなっている
保安協会などに所属する電気主任技術者は令和6年度から増加に転じた保安協会などが人を受け入れている
電気保安協会では30代以下の割合が増えている若い世代を育てる動きがある
太陽光など自家用電気工作物の増加で需給の差が広がるおそれ発電設備の保安の仕事は広がる見込み
令和12年度までに不足は生じない見込み(令和7年3月末時点)『どこでも引く手あまた』と思い込まない

「資格だけ」より「経験の積み方」が大事

免状を持つ人が増えると、求人を出す側は『この人は現場で何ができるか』も見るようになります。合格したばかりの方は、経験を積める職場かどうかを軸に選ぶと失敗しにくいです。

今の職場で経験を積むという選び方もある

転職を考えている方の中には、今の職場に受電設備があるという方もいるはずです。その場合、まず社内で選任された人の補助に入れないか相談してみる手もあります。

例えば、こんな聞き方ができます。

「電験三種に受かったので、受電設備の点検に立ち会わせてもらえませんか?」

社内で経験を積んでから転職すると、面接で話せることが増えますよ。

実務経験がない時の考え方は電験三種を取ったが実務経験がない時は?で紹介しています。

二種・一種を持っている場合

二種は電圧17万V未満、一種はすべての事業用電気工作物を監督できます。大規模な工場や発電所・変電所の保安を受け持つ求人も視野に入ってきます。

電験の求人票で確かめたい項目

「入社後いつ選任されるか」を最初に確かめる

同じ電気主任技術者の求人でも、すぐ選任される求人と、補助から始めて数年後に選任される求人があります。ここが一番の分かれ目です。

『求人票のどこを見ればいいのか分からない』という声もよく聞きます。

電験を活かす転職で、求人票や面談で確かめたい項目をチェックリストにしました。

求人票・面談で確かめたい項目
  • 入社後すぐ選任されるのか、補助から始めるのか
  • 選任の形(自社で専任・管理会社から専任・外部委託)
  • 受け持つ事業場の数と、受電の電圧
  • 電気以外の設備(空調・給排水など)も担当するか
  • 夜や休日の呼び出しの当番があるか
  • 実務経験として数えられる仕事か
  • 二種の認定や独立に向けた経験が積めるか

求人票の言葉を読み解く

求人票には、職場ごとの言い方で書かれていることがあります。よく見かける言葉を、読み方と一緒に並べました。

求人票の言葉読み方の例面談で聞きたいこと
常駐設備管理1つの建物に常に勤務する選任されるのか、補助なのか
巡回複数の建物を回る1日に回る数、移動の手段
電気主任技術者補助選任された人のもとで経験を積む何年ほどで受け持つ前提か
有資格者歓迎免状がなくても応募できる場合がある入社後に取る前提か

例えば、面談ではこんな聞き方ができます。

「入社後は、どのくらいで選任していただける予定ですか?」
「受け持つ事業場の受電の電圧はどのくらいですか?」

勤務地と移動の範囲も見ておく

巡回や外部委託の仕事では、1日にいくつもの事業場を回ります。勤務地が書かれていても、実際の受け持ちの範囲はもっと広いこともあります。

車で回るのか、公共の交通で回るのか、社用車があるのかも、面接で聞いておくと入社後のずれが少なくなります。

選任の形については電気主任技術者と電験の関係でくわしく紹介しています。

電験の求人票で確かめたい項目を、選任の時期・選任の形・受け持ちの数と電圧・担当設備・呼び出し当番の順に並べたチェックの図解

転職サービスとハローワークの使い分け

2つは「役割が違う」と考えて併用する

ハローワークは公的な求人を自分で探せる窓口、転職サービスは担当者と一緒に求人を選んで応募を進める仕組みです。

『転職サービスとハローワーク、どっちを使えばいいの?』と迷う方は多いはずです。

結論から言うと、どちらか一つに決めず、役割を分けて使うのがおすすめです。

比べる点ハローワーク転職サービス(人材紹介)
運営厚生労働省民間の人材紹介会社
求人の探し方ハローワークインターネットサービスで自分で検索担当者が希望に合う求人を選んで紹介
応募の進め方窓口の紹介状を受けて自分で応募推薦・日程の調整・面接の助言を受けられる
向いている人地元の求人を自分のペースで見たい人職場ごとの違いを聞きながら選びたい人

公的な求人はハローワークインターネットサービスで探せます。

ハローワークを使う時のコツ

ハローワークインターネットサービスでは、職種や地域、キーワードで求人を探せます。『電気主任技術者』だけでなく、『設備管理』『ビル管理』『電気保安』などの言葉でも探してみてください。

地元の会社の求人を見つけやすいのが、ハローワークのよいところです。気になる求人があれば、窓口で応募の手続きを相談しましょう。

転職サービスを使う時の流れ

設備管理の分野の転職サービスの一つに、プライムキャリアがあります。公式サイトでは、不動産・設備・建設業界に特化した人材紹介として、運営はジャパニアス株式会社と案内されています。

公式サイトの「登録から内定までの流れ」は次のとおりです。

プライムキャリアの公式サイトにある流れ
  1. 会員登録をして、会員専用ページを開く
  2. キャリアアドバイザーと面談する(Webか電話で30分から45分ほど)
  3. 希望に合う求人を一緒に選ぶ
  4. 本人の意思を確かめてから企業へ推薦する
  5. 書類や面接の助言を受け、日程の調整を任せて選考に進む
  6. 内定後、入社までの確認事項を企業に確かめてもらう

公式のよくある質問では、求職者の利用料は無料で、他の転職サービスとの併用もできると書かれています。キャリアの相談だけから始めることもできます。

なお、サイトには「電気主任技術者」という独立した職種の分類はなく、設備管理などの分類に求人が入っています。検索の時は、設備管理の分類もあわせて見てみてください。

よくある失敗

求人の数の多さだけで選んでしまうことです。選任の時期や受け持ちの数は、求人票だけでは分からないことも多いので、面談や面接で一つずつ確かめておきましょう。

電気主任技術者や設備管理の求人について、担当者に相談しながら探したい方は、次の案内から公式サイトを見てみてください。

電験ガイド

電験の資格を活かせる職場を探すなら

電気主任技術者の求人は、ビルの設備管理や工場、電気保安の仕事など職場によって探し方が変わります。設備管理・建設の分野に特化した転職支援サービスで、資格や経験に合う求人を相談してみましょう。

講座の選び方プライムキャリアの公式サイトを見る

求職者の利用は無料と公式サイトに記載があります。求人の内容は公式サイトで確かめてください。

面接で聞かれやすいことと準備

「なぜ電験を取ったか」と「どう経験を積みたいか」を言葉にしておく

電験を活かす転職の面接では、資格を取った理由と、これから現場でどう経験を積みたいかを自分の言葉で話せると伝わりやすくなります。

『面接で何を聞かれるのか不安』という方もいますよね。

面接の質問は会社ごとに違いますが、準備しておくと話しやすくなる項目をまとめました。

準備しておく項目話す内容の例
電験を取った理由今の仕事で設備に触れて、保安の仕事に興味を持った
今の仕事で生かせること設備の点検、記録づくり、関係する人との調整
働き方の希望常駐か巡回か、呼び出しの当番に対応できるか
これからの目標補助から経験を積んで選任をめざす、二種も考えている
科目合格・勉強の状況二種の勉強をしているか、他の資格の予定

例えば、こんな答え方ができます。

「今は工場で生産設備の保全をしています。受電設備の点検にも立ち会ううちに、保安を監督する側の仕事をしたいと思いました」

職務経歴書に書いておきたいこと

電験を活かす転職では、今までの仕事のうち、設備や安全に関わった経験を具体的に書くと伝わりやすくなります。

書いておきたいこと書き方の例
触れてきた設備受電設備、配電盤、非常用の発電装置、空調の設備など
点検や記録の経験毎月の点検表の記入、異常の報告
調整の経験停電作業の日程をテナントや他部署と合わせた
資格と勉強の状況電験三種の免状、二種の一次の勉強中など

『大したことはしていない』と思う経験でも、保安の仕事では役に立つことがあります。思い出せる範囲で書き出してみましょう。

未経験からの転職で意識したいこと

電気の現場の経験がない方は、『経験がないと不利なのでは』と不安になりますよね。

ただ、関東電気保安協会のように、補助の業務から育てる前提の募集もあります。電験の科目合格者を「検査助手」として採用し、入社後に第三種の免状を取って経験を積む前提の枠もあると案内されています。

未経験の方は、育てる仕組みがあるかどうかを、面接で遠慮なく聞いてみてください。

電験を活かす転職の流れを、転職先の種類を決める・求人を探す・求人票で確かめる・面接の準備をする・選任までの道を確かめるの5段で示した図解

電験の転職でよくある相談

多いのは「有利になる?」「経験がないと不利?」「種ごとの転職先は?」

知恵袋などでは、電験が転職でどのくらい有利か、未経験だと採用に響くか、一種・二種・三種で転職先が違うかといった相談がよく見られます。

よく見かける相談を3つ選んで答えていきます。

転職市場で電験三種はかなり有利?

「転職市場で電験三種を持っているとかなり有利なのか、それほどでもないのか」という相談がありました。

job tagでは、ビル施設管理の中途採用で資格を持っていることが求人の条件になることが多いとされています。電験三種があると、応募できる求人の幅が広がるのは確かです。

一方で、免状を持つ人は令和5年度以降に大きく増えています。『資格があれば決まる』と考えるより、資格を入口にして経験をどう積むかを話せる方が強いですよ。

電気工事の経験があるかないかで、採用はかなり変わる?

「電験三種を取って未経験で転職する場合、電気工事の実務経験があるかないかで採用に響くか」という相談です。

採用の判断は会社ごとなので、一概には言えません。ただ、電気主任技術者は工事の作業ではなく保安の監督をする立場なので、工事の経験がないと応募できない、ということではありません。

補助から育てる募集を選ぶ、設備に触れてきた経験を話す、といった形で準備しておきましょう。

一種・二種・三種で転職先は違う?

「電験一種、二種、三種の転職先はどんなところか」という相談もありました。

監督できる範囲が違うので、受け持てる設備も変わります。三種はビルや工場など5万V未満、二種は大規模な工場や大型の商業施設、一種は電力会社の発電所や変電所まで受け持てます。

三種のあとに二種を取るか迷っている方は、電験2種はいらない?も参考にしてみてください。

よくある質問

電験三種を活かす転職先にはどこがありますか?

ビルメンテナンス、工場の設備部門、電気保安協会・電気保安法人、太陽光などの発電設備の保安を受け持つ会社などがあります。

電験の転職で求人票のどこを見ればいいですか?

入社後すぐ選任されるのか補助から始めるのかを、まず確かめましょう。受け持つ事業場の数、受電の電圧、呼び出しの当番も大事な点です。

転職サービスとハローワークは併用できますか?

できます。ハローワークで公的な求人を自分で探しながら、転職サービスで担当者に相談する、という使い分けができます。

実務経験がなくても電験を活かして転職できますか?

補助の業務から育てる前提の募集もあります。面接で、選任までにどう経験を積めるかを確かめておきましょう。

プライムキャリアの利用に費用はかかりますか?

公式のよくある質問では、求職者の方はサイトの利用とすべての転職サポートが無料と案内されています。

まとめ

この記事の要点
  • 電験を活かす転職先は、ビルメンテナンス・工場・電気保安法人・再エネの発電設備の4つ
  • 選任の形は外部委託が9割で、保安協会や保安法人が大きな受け皿
  • 求人票では「入社後いつ選任されるか」を最初に確かめる
  • ハローワークと転職サービスは役割を分けて併用する
  • 面接では、電験を取った理由と経験の積み方を自分の言葉で話す

電験を活かす転職は、どの職場で経験を積むかを選ぶことでもあります。まずは4つの転職先のうち、気になるものを1つ決めて求人を眺めてみてください。

電験ガイド

電験ガイド 編集部

電験(電気主任技術者試験)の一種・二種・三種について、試験の仕組み・科目別の要点・勉強の進め方・講座の選び方・資格を活かす仕事までを、受験する人の目線で整理している情報サイトです。 公式サイト

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

コメント

コメントする

目次