電験1種の試験|一次・二次の内容と合格率・準備の進め方

電験1種の試験の一次・二次の内容と合格率を紹介する記事のアイキャッチ

当サイトの記事は、編集部が電気技術者試験センター・経済産業省などの公的機関と、各講座・出版社の公式サイトの公開情報を調べて独自に執筆しています。試験の日程・受験手数料・合格基準は年度ごとに変わるため、最新の情報は電気技術者試験センターの受験案内で確認してください。

二種まで来た方なら、『電験1種の試験って、二種と何が違うんだろう』と気になりますよね。

結論から言うと、電験1種の試験は二種と同じく年1回、一次のマーク式と二次の記述式の2段階です。違うのは一次の問題数と合格基準、そして問われる内容の深さです。

この記事では、令和8年度(2026年度)の受験案内をもとに、一次・二次の中身と合格率、合格までの準備の進め方が分かります。

目次

電験1種の試験はどんな形?まず全体を見よう

先に結論

電験1種試験の正式な名前は「第一種電気主任技術者試験」です。一般財団法人電気技術者試験センターが年1回行い、一次(4科目)に受かった人が二次(2科目)に進みます。

『そもそも一次と二次って、どう分かれているの?』という方も多いはずです。

一次は理論・電力・機械・法規の4科目で、マークシートに記入する多肢選択方式です。二次は電力・管理と機械・制御の2科目で、答えを自分で書く記述方式になっています。

項目一次試験二次試験
科目理論・電力・機械・法規電力・管理、機械・制御
答え方マークシート(多肢選択)記述
受けられる人誰でも(受験資格の制限なし)同じ年度の一次合格者と、前年度の一次合格者
科目合格あり(翌年度・翌々年度の2回免除)なし
試験日(令和8年度)8月30日(日)11月15日(日)

電験1種には受験資格の制限がありません。三種や二種を持っていなくても申し込めます。

令和8年度の申込みから結果発表まで

令和8年度の流れを、日付つきで並べておきますね。

令和8年度(2026年度)の電験1種の流れ
  1. 5月18日から6月4日までに受験を申し込む
  2. 8月30日に一次試験の4科目を受ける
  3. 9月14日の一次の結果発表で、合格か科目合格かを確かめる
  4. 11月15日に二次試験の2科目を受ける
  5. 令和9年1月29日の二次の結果発表と合格基準点の公表を待つ

一種・二種にはCBT方式がなく、筆記だけで行われます。三種のように年2回ではない点にも気をつけておきましょう。

受験手数料は、インターネット申込みで13,800円、書面申込みで14,200円でした(令和8年度・非課税)。最新は電気技術者試験センターの案内で確かめましょう。

電験1種がどんな資格かは電験一種とは?で紹介しています。

電験1種の1次試験の科目・問題数・時間割

令和8年度の一次は、理論が9時15分に始まり、法規が17時30分に終わる1日がかりの試験でした。各科目でA問題4題・B問題2題に答えます。

『1日で4科目って、体力がもつのかな』と心配になる方もいますよね。

時間割は三種の筆記方式や二種の一次と同じです。令和8年度は次のとおりでした。

科目時間(令和8年度)解答する問題(各科目)
理論9:15〜10:45(90分)A問題4題・B問題2題
電力11:25〜12:55(90分)A問題4題・B問題2題
機械14:15〜15:45(90分)A問題4題・B問題2題
法規16:25〜17:30(65分)A問題4題・B問題2題

問題の数だけ見ると、三種より少なく感じるかもしれません。ただ、1題の中で問われることが多く、1題ごとの重みが大きい試験なんです。

一次の合格基準は年度で変わる

電験1種の1次試験の合格基準は、試験のあとに試験センターが公表します。最近の2年分を見てみましょう。

年度一種の一次の合格基準
令和7年度80点満点で各科目48点以上
令和8年度理論48点、電力・機械・法規60点(いずれも100点換算)

令和8年度は理論だけ基準が下がっています。難しさに応じて調整されることがあるので、『今年は何点で受かるのか』は試験後の公表を待つしかありません。

一次の科目合格で3年かけてそろえる

一次の一部の科目だけ受かると「科目合格」になります。翌年度と翌々年度の2回、申請によってその科目が免除されます。

つまり、3年の間に4科目をそろえれば一次に合格したことになり、二次に進めます。免除は自動ではないので、申込みの時に申請を忘れないようにしておきましょう。

よくある失敗

科目合格の免除を申請し忘れて、すでに受かった科目をもう一度受けることになるケースです。申込みの画面で、免除の欄を毎年確かめておきましょう。

電験1種の2次試験|記述式の2科目

二次は「選んで、書く」試験

電力・管理は6題から4題、機械・制御は4題から2題を選んで記述で答えます。途中の考え方まで自分で書いて示す試験です。

『マーク式なら得意なのに、記述はどう準備すればいいの?』と迷う方は多いはずです。

電験1種2次試験の科目と、令和8年度の時間を並べました。

科目主な内容解く問題時間(令和8年度)
電力・管理発電所・蓄電所・変電所の設計と運転、送配電線路(屋内配線を含む)の設計と運用、電気施設管理6題中4題を選ぶ10:00〜12:00(120分)
機械・制御電気機器、パワーエレクトロニクス、自動制御、メカトロニクス4題中2題を選ぶ13:20〜14:20(60分)

電力・管理は120分で4題なので、1題あたり30分ほどです。機械・制御は60分で2題なので、こちらも1題30分ほどで書き切る計算になります。

二次の合格基準と科目合格がないこと

令和7年度の二次の合格基準は、一種・二種とも100点満点換算で60.0点以上(180点満点で108点以上)でした。そのうえで、各科目とも平均点以上であることが条件になっていました。

二次には科目合格の制度がありません。ただ、一次に受かった年度の二次で落ちても、翌年度は一次が免除されて二次から受けられます。

翌年度の二次も落ちた場合は、その次の年度は一次から受け直しです。二次に挑める回数は、一次合格の年とその翌年の2回と考えておきましょう。

記述で点をもらう答え方

記述は、答えの数字だけ合っていても、途中が書かれていなければ評価しにくい形式です。次の点を意識して書く練習をしておくと安心です。

記述答案のセルフチェック
  • 使う公式を文字式で書いてから数値を入れている
  • 数値には単位を付けている
  • 図や等価回路をかいて、記号の意味を示している
  • 説明問題では、理由を1〜2文で言い切っている
  • 1題30分の中で最後まで書き切れている

二種の二次の書き方は電験2種の二次試験でくわしく紹介しています。一種でも答案の組み立て方は共通する部分が多いので、あわせて読んでみてください。

電験1種の法規はどこまで出る?一次と二次での問われ方

法規は一次の1科目、さらに二次の電力・管理にもつながる

一次の法規の範囲は「電気法規(保安に関するものに限る)及び電気施設管理」です。二次の電力・管理にも電気施設管理が含まれるので、法規の知識は二次でも使います。

『法規って暗記科目でしょ?一次で終わりだよね』と思っている方もいるかもしれません。

実は、電験1種の法規の知識は一次だけで終わりません。二次の電力・管理の出題範囲に「電気施設管理」が入っているからです。

試験法規・施設管理との関わり準備の向き
一次の法規電気法規(保安に関するもの)と電気施設管理を多肢選択で問う条文の言葉と数値を正確に覚える
二次の電力・管理電気施設管理が出題範囲に入る仕組みや理由を自分の言葉で書ける

一次の法規で押さえたいこと

電気法規の中心は、電気事業法と、電気設備の技術基準・解釈です。三種・二種の法規で学んだ内容の上に、より大きな設備を前提にした知識が積み重なるイメージです。

例えば、三種の法規では主にビルや工場の受電設備を思い浮かべて学びます。一種では、それより大きな発電所や送電線まで頭に置いて条文を読むことになります。

法規は65分と他の科目より短い試験です。条文の言葉を正確に覚えていないと迷いやすいので、過去の問題で問われた言い回しをノートに集めておくのがおすすめです。

二次で法規の知識が生きる場面

二次の電力・管理では、施設をどう管理するかを説明する力も見られます。例えば、保安の考え方や設備の運用を、理由とあわせて書く場面です。

『暗記した数値を書けば終わり』ではなく、「なぜそう決まっているのか」まで言えると答案に厚みが出ます。法規の勉強のときから、理由を一言そえて覚えておきましょう。

法令の数値は原文で確かめる

技術基準や解釈の数値は改正されることがあります。覚えた数値は、e-Gov法令検索や経済産業省の公表している解釈で、最新の条文と照らし合わせておくと安心です。

二種と比べて見える電験1種試験の特徴

枠組みは同じ、違いは一次のB問題の数と基準の点数

一種と二種は同じ日・同じ時間割で試験が行われます。違いは一次のB問題の数と合格基準、そして問われる内容の深さです。

『二種の延長で受けられるなら、準備も同じでいいの?』と考える方もいますよね。

一種と二種を令和8年度の受験案内で並べると、違いがはっきり見えてきます。

比べる点電験一種電験二種
一次の解答数(各科目)A問題4題・B問題2題A問題4題・B問題3題(理論・機械のBは選択を含む)
令和7年度の一次の合格基準80点満点で各科目48点以上90点満点で各科目54点以上
令和8年度の一次の合格基準理論48点、他3科目60点(100点換算)理論47点、他3科目60点(100点換算)
二次の科目電力・管理、機械・制御電力・管理、機械・制御
令和7年度の二次の合格基準100点満点換算60.0点以上かつ各科目平均点以上一種と同じ
受験手数料(インターネット・令和8年度)13,800円13,800円

二種の試験の中身は電験二種の試験で、三種まで含めた違いは電験の1種・2種・3種の違いで紹介しています。

受験者数と合格率の推移

電気技術者試験センターの公表値を、一次と二次に分けて並べました。

年度一次 受験者/合格者/合格率二次 受験者/合格者/合格率
令和5年度1,469人/485人/33.0%719人/129人/17.9%
令和6年度1,433人/428人/29.9%720人/112人/15.6%
令和7年度1,569人/502人/32.0%772人/245人/31.7%

一次は3割前後で落ち着いています。二次は令和5・6年度が2割を切り、令和7年度は3割を超えました。

令和7年度の一次では、4科目合格者のほかに688人(43.8%)が科目合格をしています。何年かに分けて一次を通る人が多いことが分かりますね。

数字から分かる電験1種合格までの道

一次で受かっても、二次で多くの人が足止めされる年がある試験です。電験1種合格を目指すなら、二次の記述をどう準備するかが分かれ目になります。

一方で、受験者の多くは二種や三種を通ってきた人です。『合格率3割なら何とかなる』と考えるより、準備してきた人の中での3割と見る方が実態に近いはずです。

電験1種試験の一次と二次を、科目・答え方・解く問題の数・科目合格の有無で左右に並べて比べた図解

電験1種合格までの準備はどう進める?

一次と二次を別々に考えず、つなげて準備する

一次の結果発表から二次までは約2か月です。一次の勉強をしながら、二次の記述にも早めに触れておくと、秋に慌てずにすみます。

『どの順番で何をやればいいのか分からない』という声もよく聞きます。

ここでは、1年の中での準備の進め方を、時期ごとの目安として並べてみました。人によって使える時間は違うので、組み立て方の例として見てください。

時期一次に向けて二次に向けて
申込み前(春まで)苦手な科目を決め、どの科目から受けるか決める過去の二次の問題を読み、出題の形を知る
申込みから一次まで公開されている過去問で一次の4科目を回す週に1題、記述で書いてみる
一次の結果発表まで自己採点で科目合格の見込みを確かめる電力・管理と機械・制御の得意分野を決める
一次の結果発表から二次まで(合格した科目は免除の準備)1題30分で書き切る練習をくり返す
電験1種合格までの準備の進め方を、春から二次試験までの時期ごとに一次と二次の準備を並べて示した図解

『二次の準備は一次に受かってからでいいのでは』と思う方もいますよね。ただ、一次の結果発表から二次までは約2か月しかありません。

記述は書き慣れるまでに時間がかかります。一次の勉強の合間に週1題でも書いておくと、秋の2か月を答案の仕上げに使えるんです。

過去問は試験センターで手に入る

一種の一次の問題と解答、二次の問題と標準解答は、試験センターのホームページで公開されています。二次の標準解答は試験から約2か月後の公表で、令和8年度分は令和9年1月13日の予定です。

公開されているのは問題と解答だけで、解説はありません。解説がほしい時は、市販の問題集や講座の教材と組み合わせることになります。

使える時間別の進め方の例

例えば、平日は仕事のあとに1時間、土日に3時間ずつ取れる、特別高圧の工場で働く二種持ちの方を考えてみましょう。

進め方こんな人に向く組み立て方の例
1年で一次4科目を狙う二種合格から間がなく、勉強の習慣が残っている4科目を並行し、一次後すぐ二次へ切り替える
2年で一次をそろえる仕事の繁忙期が夏に重なる1年目に2科目、2年目に残り2科目を受ける
二次を翌年の本命にする一次合格の年は記述の準備が間に合わないその年の二次は力試し、翌年は一次免除で二次に集中

二次の記述は、一人だと自分の答案の良し悪しが分かりにくいものです。独学で進める人も多いですが、添削つきの講座を使う方法もあります。

講座の比べ方は、次の案内から読んでみてください。

電験ガイド

独学で進めるか、講座を使うか迷っている方へ

電験三種は4科目の範囲が広く、理論や機械の計算でつまずく人も少なくありません。通信・Web動画・DVD・通学など講座の学び方の違いと、比べる時のチェックポイント、資料請求で確かめたい点をまとめました。

講座の選び方電験三種の講座の選び方を見る

当サイト内の解説ページに移動します。試験の日程・受験手数料は電気技術者試験センターの案内で最新情報を確認してください。

電験1種の試験でよくある相談

多いのは「難しさ」「二次の用語」「合格したあとの仕事」

知恵袋などでは、一種の難しさを他の資格と比べる相談や、二次の問題文の読み方、合格の価値についての相談がよく見られます。

よく見かける相談から3つを選んで答えていきます。

電験1種の試験は他の資格と比べて難しい?

「専門知識ゼロから電験1種に受かるのと、他の難関資格に受かるのはどちらが難しいか」という相談がありました。

分野の違う資格を一つの物差しで比べるのは難しいところです。ただ電験1種の場合、三種・二種の内容が土台になるので、ゼロからだと何段もの積み上げが要るのは確かです。

『いきなり一種を目指してもいいの?』と思った方は、まず三種や二種の範囲から始めるのが無理のない道ですよ。

二次の「自己定格を基準とする単位法」って何?

「二次の機械・制御で、単位法は自己定格容量と自己定格電圧を基準とする、という文言の意味が分からない」という相談です。

単位法(pu法)は、ある量を基準の量で割って比で表す方法です。「自己定格を基準とする」は、その機器自身の定格容量と定格電圧を基準にする、という意味なんです。

例えば、定格容量10,000kVA・定格電圧6.6kVの同期発電機で、同期リアクタンスが単位法で1.2だったとします。基準のインピーダンスは Z = V² / S なので、6,600² ÷ 10,000,000 = 4.356Ωです。

同期リアクタンスをオームで表すと、1.2 × 4.356 ≒ 5.23Ωになります。別の機器と組み合わせる問題では、基準をそろえ直してから計算する点に気をつけておきましょう。

電験1種に合格すれば、それだけで仕事に困らない?

「電験1種に受かれば、それだけで十分にやっていける資格なのか」という相談もありました。

電験一種は、すべての事業用電気工作物の保安を監督できる資格です。電力会社の発電所・変電所・送電線のような大きな設備まで担当できるのが強みです。

ただ、実際に選任されて仕事を任されるには、現場での経験も大事になります。資格と仕事の関係は、電験一種とは?の記事も参考にしてみてください。

よくある質問

電験1種の試験は年に何回ありますか?

年1回です。令和8年度は一次が8月30日、二次が11月15日でした。最新は電気技術者試験センターの案内で確かめましょう。

電験1種の1次試験の科目は何ですか?

理論・電力・機械・法規の4科目で、マークシートの多肢選択方式です。各科目でA問題4題・B問題2題に答えます。

電験1種2次試験は誰でも受けられますか?

受けられるのは、同じ年度の一次試験の合格者と、前年度の一次試験の合格者(一次免除者)だけです。

電験1種の法規の範囲はどこまでですか?

一次の法規は「電気法規(保安に関するものに限る)及び電気施設管理」です。二次の電力・管理にも電気施設管理が含まれます。

電験1種の試験に受験資格はありますか?

ありません。三種や二種の免状がなくても申し込めます。ただ、内容は三種・二種が土台になるので、順番に進める人が多いです。

まとめ

この記事の要点
  • 電験1種の試験は年1回、一次(マーク式4科目)と二次(記述式2科目)の2段階
  • 一次は各科目A問題4題・B問題2題で、合格基準は年度ごとに公表される
  • 二次は電力・管理6題中4題、機械・制御4題中2題を選んで記述で答える
  • 法規の知識は一次だけでなく、二次の電力・管理の電気施設管理にもつながる
  • 合格率は一次が3割前後、二次は年によって差が大きく、記述の準備が分かれ目

電験1種は長い道のりですが、一次の科目合格と二次の一次免除を上手に使えば、自分のペースで進められます。まずは過去の二次の問題を1題読んで、どんな答案が求められるのかを確かめてみてください。

電験ガイド

電験ガイド 編集部

電験(電気主任技術者試験)の一種・二種・三種について、試験の仕組み・科目別の要点・勉強の進め方・講座の選び方・資格を活かす仕事までを、受験する人の目線で整理している情報サイトです。 公式サイト

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