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電験2種の勉強を進めていて、『電力・管理は範囲が広すぎて、どこから手を付ければいいの?』と迷っている方も多いですよね。
結論から言うと、電験2種の電力は、範囲を3つの分野に分けて、得意な分野から固めていくのが近道です。二次の電力・管理は6題中4題を選ぶので、全部を同じ深さで準備する必要はないんです。
この記事を読むと、電力・管理の出題範囲、問題の選び方の判定、記述の準備の手順が分かります。
電験2種の電力とは?一次と二次の2つがある
電験2種で「電力」と呼ばれる科目は2つあります。一次試験の「電力」(マーク式)と、二次試験の「電力・管理」(記述式)です。
『電験2種の電力って、一次と二次のどっちのこと?』と混乱する方もいますよね。実は、同じ「電力」という言葉でも、受け方がまったく違います。
| 比べる点 | 一次の電力 | 二次の電力・管理 |
|---|---|---|
| 形式 | マークシートの多肢選択方式 | 記述式 |
| 解く問題 | A問題4題・B問題3題 | 6題中4題を選ぶ |
| 時間(令和8年度) | 90分(11:25〜12:55) | 120分(10:00〜12:00) |
| 受けられる人 | 誰でも | 一次の合格者と一次免除の人 |
一次の電力は、三種の電力と同じ科目名です。三種で学んだ発電・変電・送配電の内容を、一段深い計算で問われると考えておきましょう。
この記事では、主に二次の電力・管理を中心に見ていきます。一次の対策全体は電験2種の一次試験で紹介しています。
電力・管理は二次の柱
二次は、電力・管理と機械・制御の2科目です。そのうち電力・管理は120分あり、時間の長さから見ても二次の大きな柱になります。
二次の全体像は電験2種の二次試験でくわしく紹介しています。
電力・管理の出題範囲を3つの分野で見る
受験案内では、発電所・蓄電所・変電所の設計と運転、送配電線路(屋内配線を含む)の設計と運用、電気施設管理が範囲とされています。
範囲の文章だけを読むと、何を勉強すればいいのか分かりにくいですよね。
そこで、受験案内の範囲を3つの分野に分け、教科書でよく扱われる主なテーマを並べてみました。どのテーマが出るかは年度で変わるので、あくまで準備の地図として使ってみてください。
| 分野 | 受験案内の範囲 | 教科書で扱う主なテーマの例 |
|---|---|---|
| 発変電 | 発電所・蓄電所・変電所の設計と運転 | 水力・火力の発電のしくみ、変圧器の運用、保護継電器、調相設備 |
| 送配電 | 送配電線路(屋内配線を含む)の設計と運用 | 電圧降下、電力損失、短絡電流と%インピーダンス、フェランチ現象、地中ケーブル |
| 施設管理 | 電気施設管理 | 需要率と負荷率、力率改善、保護協調、設備の点検 |

発電や変電所の基本は、三種の範囲で学んだ内容が土台です。三種の復習が必要なら電験三種の発電や電験三種の送電・配電から読み直してみてください。
分野ごとに押さえたい式
3つの分野で、計算の土台になる代表的な式を並べました。どれも教科書で扱う基本の式です。
| 分野 | 式・考え方 | 使う場面の例 |
|---|---|---|
| 発変電 | 水力の出力 P = 9.8 × Q × H × η(kW) | 流量と落差から発電所の出力を求める |
| 送配電 | 電圧降下 ΔV ≒ (PR + QX) ÷ V | 受電端の電圧を確かめる |
| 送配電 | 短絡電流 Is = In × 100 ÷ %Z | 遮断器の容量を考える |
| 施設管理 | 需要率 = 最大需要電力 ÷ 設備容量 | 変圧器の容量を考える |
| 施設管理 | 負荷率 = 平均需要電力 ÷ 最大需要電力 | 設備がどれだけ有効に使われているかを見る |
| 施設管理 | コンデンサ容量 Qc = P(tan θ1 − tan θ2) | 力率改善に必要な容量を求める |
式は、記号の意味と単位まで言えるようにしておくと、記述の答案でそのまま使えます。
計算と論述の両方が出る
電力・管理は、計算問題と論述問題の両方を準備しておきたい科目です。
例えば送配電の分野なら、電圧降下を計算で求める問題もあれば、電圧を保つ方法を言葉で説明する問題も考えられます。同じテーマを「計算」と「説明」の両方で準備しておくと、選べる問題が増えるんです。
例題:需要率と負荷率を求める
施設管理の分野でも、自作の例題を1つ解いてみましょう。
設備容量の合計が500kWの工場で、ある日の最大需要電力が300kW、1日の平均需要電力が180kWでした。この日の需要率と負荷率を求めてみてください。
需要率は、最大需要電力 ÷ 設備容量 なので、300 ÷ 500 で0.6、つまり60%です。
負荷率は、平均需要電力 ÷ 最大需要電力 なので、180 ÷ 300 で0.6、こちらも60%になります。
『どっちが分母だったっけ?』と迷いやすいところですよね。需要率は「設備のうちどれだけ使ったか」、負荷率は「最大に比べて平均はどれくらいか」と、言葉の意味から思い出すと取り違えにくくなります。
6題中4題をどう選ぶ?準備と本番の判定
6題中4題を選ぶので、2題は選ばなくて済みます。逆に言えば、4題を確実に書ける準備が要ります。
『苦手な分野を捨てても大丈夫かな…』と心配になる方もいますよね。
全部の分野を同じ深さで準備するのは、時間的に難しいことも。そこで、自分の得意・苦手から準備の深さを決めていきます。
| 自分の状況 | 準備の考え方 |
|---|---|
| 送配電の計算が得意 | 送配電を柱にし、施設管理の計算を2本目の柱にする |
| 発変電の現場の仕事をしている | 発変電の論述を柱にし、送配電の計算を足す |
| 計算は得意だが論述が苦手 | 計算中心で選び、論述は頻出の用語だけ押さえる |
| どの分野も同じくらい | 送配電・施設管理・発変電の順に1つずつ固める |
同じ二種を目指す仲間と話すなら、こんなやりとりになるかもしれません。
「施設管理の計算は得意だから、そこは本番でも選びたいんだ」
「じゃあ、あと3題分を送配電と発変電で作っておけばいいね」
準備の深さを3段階で決める
分野ごとに、どこまで準備するかを3段階で決めておくと、勉強の時間を配分しやすくなります。
- 柱の分野は、計算も論述も何も見ずに書ける所まで
- 2本目の分野は、計算の型を一通り書ける所まで
- 残りの分野は、主な用語の意味を説明できる所まで
本番で問題を選ぶ時のチェック
本番では、最初の数分で4題を決めてしまうのが理想です。
- 最後の小問まで、使う式の見通しが立つか
- 論述の小問で、書くべき語が3つ以上浮かぶか
- 1題を25〜30分で書き切れそうか
- 迷ったら、計算の量が少ない方を選ぶ
120分で4題なので、1題にかけられるのは30分ほどです。選ぶのに迷っている時間は、そのまま書く時間から引かれてしまいます。
電力・管理の記述の準備の手順
記述の準備は、過去問を解きながら、自分の答案の型を作っていく作業です。分野ごとに型ができれば、本番で迷う時間が減ります。
ここでは、準備を進める順番を手順にまとめました。
- 試験センターの過去問で、二次の電力・管理を1年分読む
- 3つの分野のうち、柱にする分野を2つ決める
- 柱の分野の計算問題を、途中の式を書きながら解く
- 同じ分野の論述問題を、理由と対策に分けて書く
- 標準解答と見比べて、抜けた式や語を足す
- 残りの分野に広げて、4題分の準備をそろえる

手順の1番目で使う過去問は、試験センターのホームページで問題と標準解答が公開されています。年度ごとの使い方は電験2種の過去問で紹介しているので、準備の前に目を通しておくと進めやすくなります。
職場で受変電設備に関わっている方なら、仕事の場面と結び付けると覚えやすくなります。
「この負荷で、受電端の電圧はどれくらい下がるんだろう」
「力率を上げると無効電力が減るから、電圧降下も小さくなるよ」
例題:電圧降下の近似式を使う
二種の電力でよく使う電圧降下の近似式で、自作の例題を解いてみましょう。
三相3線式の配電線で、受電端の線間電圧が6,600V、受電端の負荷が有効電力2,000kW・力率0.8(遅れ)です。1線あたりの抵抗が0.5Ω、リアクタンスが1.0Ωの時、線間の電圧降下を近似式で求めてみてください。
まず無効電力を求めます。力率0.8なので sin θ = 0.6 となり、Q = 2,000 × 0.6 ÷ 0.8 で1,500kvarです。
近似式は ΔV ≒ (PR + QX) ÷ V です。数値を入れると (2,000,000 × 0.5 + 1,500,000 × 1.0) ÷ 6,600 で、およそ379Vになります。
答案では、近似式を文字で先に書き、P と Q を W と var にそろえてから代入していることが分かるように書いておきましょう。単位のそろえ忘れは、電力の計算でよくあるつまずきなんです。
kW と W、kV と V を混ぜたまま式に入れてしまうことです。代入の前に、単位を1つの書き方にそろえる一行を答案に入れておくと安心です。
一人での準備に不安がある時は
論述の答案が伝わる書き方になっているかは、一人では判断しにくいものです。添削のある講座を使う人もいます。講座の比べ方は次の案内から読んでみてください。
電験ガイド
独学で進めるか、講座を使うか迷っている方へ
電験三種は4科目の範囲が広く、理論や機械の計算でつまずく人も少なくありません。通信・Web動画・DVD・通学など講座の学び方の違いと、比べる時のチェックポイント、資料請求で確かめたい点をまとめました。
講座の選び方電験三種の講座の選び方を見る当サイト内の解説ページに移動します。試験の日程・受験手数料は電気技術者試験センターの案内で最新情報を確認してください。
電験2種の電力でよくある相談
知恵袋などで見かける相談から、電力の勉強に関わるものを3つ選んで答えていきます。
pu法と電圧降下の近似式の関係が分からない
「電験2種の電力で、pu法と電圧降下の近似式の関係がよく分からない」という相談がありました。
pu法は、電圧や電力を基準の値で割って、1を基準にした数で表す方法です。基準をそろえれば、変圧器をはさんだ回路でも同じ物差しで計算できるのが長所なんです。
近似式の V も、pu法では1に近い値になります。そのため pu法で書くと、電圧降下はおよそ PR + QX という形で見えてきます。まずは実際の単位の式と pu法の式を、同じ例題で両方解いて比べてみてください。
P+jQの式で√3が付く時と付かない時がある
「有効電力と無効電力の式で、√3が付く時と付かない時があるのはなぜか」という相談もありました。
結論から言うと、使っている電圧が線間電圧か相電圧かの違いです。三相の電力を線間電圧で表すと √3 × V × I の形になり、相電圧で表すと 3 × E × I の形になります。
単相の式なら、√3も3も付きません。式を使う前に「この V は線間か相か」をメモしておくと、取り違えが減ります。
一次で理論だけ受からない
「電験2種の一次で、電力・機械・法規は受かったのに理論だけ受からない」という相談もありました。
理論は、電力や機械の計算の土台になる科目です。二次の電力・管理でも、回路の計算やベクトル図は欠かせません。
理論の勉強は、二次の準備にもそのまま生きてきます。理論の過去問で手が止まった問題を、計算の道筋を書きながら解き直すところから始めてみましょう。
よくある質問
電験2種の電力・管理は何題を解きますか?
6題の中から4題を選んで解きます。令和8年度(2026年度)の時間は120分でした。最新は電気技術者試験センターの案内で確かめましょう。
電験2種の電力は三種の電力と何が違いますか?
一次の電力は三種と同じ科目名ですが、計算が一段深くなります。さらに二次には記述式の電力・管理があり、計算の過程や説明を書いて答えます。
電験2種の電力・管理の過去問はどこで手に入りますか?
電気技術者試験センターのホームページで、二次の問題と標準解答が公開されています。解説は付いていないので、参考書で理由を補いながら使いましょう。
電力・管理は全部の分野を勉強しないといけませんか?
6題中4題を選ぶので、2題は選ばなくて済みます。得意な分野を4題分以上準備しておく考え方が現実的です。
まとめ
- 電験2種の電力には、一次の電力(マーク式)と二次の電力・管理(記述式)がある
- 電力・管理の範囲は、発変電・送配電・施設管理の3つの分野に分けると見通しやすい
- 6題中4題を選ぶので、得意な分野を4題分以上作っておく
- 記述の準備は、計算の型と論述の型を分野ごとに作っていく





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