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電験2種の一次試験に受かって、『二次試験は記述式らしいけど、何をどう書けばいいの?』と手が止まっている方も多いですよね。
結論から言うと、電験2種の二次試験は、計算の過程と説明を自分の言葉で書く試験です。答えの数字だけでなく、そこに至る道筋を読み手に伝える力が問われます。
この記事を読むと、二次の科目と時間、計算問題と論述問題の書き方の型、一次合格の翌年に二次から受ける計画の立て方が分かります。
電験2種の二次試験とは?科目と時間を表で
電験2種二次試験は、電力・管理と機械・制御の2科目です。どちらも問題を選んで記述で答え、二次を受けられるのは一次の合格者か一次免除の人だけです。
電験二種(第二種電気主任技術者試験)は、一次と二次の2段階です。一次はマーク式で、二次は記述式になります。
『電験2種って、二次試験まであるの?』と驚く方もいますよね。三種は4科目のマーク式だけなので、二次があるのは二種と一種の特徴なんです。
令和8年度(2026年度)の受験案内をもとに、二次の中身を並べました。
| 科目 | 範囲 | 解く問題 | 時間(令和8年度) |
|---|---|---|---|
| 電力・管理 | 発電所・蓄電所・変電所の設計と運転、送配電線路(屋内配線を含む)の設計と運用、電気施設管理 | 6題中4題を選ぶ | 10:00〜12:00(120分) |
| 機械・制御 | 電気機器、パワーエレクトロニクス、自動制御、メカトロニクス | 4題中2題を選ぶ | 13:20〜14:20(60分) |
令和8年度の二次は11月15日(日)で、結果発表は令和9年1月29日(金)の予定です。最新は電気技術者試験センターの案内で確かめましょう。
二次を受けられる人
二次を受けられるのは、同じ年度の一次試験の合格者と、前年度の一次試験合格者(一次免除の人)です。
二次には科目合格の制度がありません。2科目を同じ年に合わせて合格する必要があります。
一次合格の年度に二次で落ちても、翌年度は一次免除で二次から受けられます。ただ、翌年度も二次で不合格なら、翌々年度は一次からやり直しです。
合格基準と合格率
令和7年度の二次の合格基準は、100点満点換算で60.0点以上(180点満点で108点以上)、かつ各科目とも平均点以上でした。
| 年度 | 受験者 | 合格者 | 合格率 |
|---|---|---|---|
| 令和5年度 | 2,682人 | 474人 | 17.7% |
| 令和6年度 | 2,922人 | 553人 | 18.9% |
| 令和7年度 | 3,692人 | 611人 | 16.5% |
一次を通った人の中で、さらに2割を切る合格率が続いています。一次とは別の準備が要る試験だと考えておきましょう。
試験全体の流れは電験二種の試験で、一次の対策は電験2種の一次試験で紹介しています。
1題に使える時間から逆算する:電力・管理と機械・制御
電力・管理は120分で4題、機械・制御は60分で2題です。どちらも1題にかけられる時間はおよそ30分になります。
『120分もあるなら、ゆっくり書けそう』と思う方もいるかもしれません。ところが、1題あたりに直すと余裕はあまりないんです。
| 比べる点 | 電力・管理 | 機械・制御 |
|---|---|---|
| 選ぶ数 | 6題中4題 | 4題中2題 |
| 1題あたりの時間 | 約30分 | 約30分 |
| 選ぶ時の余裕 | 2題を捨てられる | 2題を捨てられる |
| 準備の考え方 | 得意な分野を4つ以上作る | 得意な分野を2つ以上作る |
選ぶ問題の数は違いますが、どちらも「2題は選ばなくてよい」という点は同じです。逆に言えば、苦手な分野があっても、得意な分野で埋められれば戦えます。

120分の時間の使い方の例
電力・管理の120分を、例えば次のように区切っておくと、本番で慌てにくくなります。
| 時間の区切り | やること |
|---|---|
| 最初の5分 | 6題すべてに目を通して、解く4題と順番を決める |
| 次の100分 | 1題25分ほどを目安に4題を書く |
| 最後の15分 | 単位・答えの書き漏れ・小問のつながりを見直す |
機械・制御の60分なら、最初の5分で2題を選び、残りを2題にほぼ半分ずつ使うイメージです。
問題を選ぶ時の判定
問題用紙を開いた最初の数分で、どれを選ぶかを決めます。ここで迷うと、書く時間が削られてしまうんです。
- 最後の小問まで式の見通しが立つ問題を優先する
- 論述の小問で、書くべき語が3つ以上浮かぶかを見る
- 途中で詰まりそうな問題は、選ぶ候補から外す
- 迷ったら、計算の量が少ない方を選ぶ
この判定は、本番でいきなりできるものではありません。過去問を解く時から、最初に5分だけ全問を眺めて選ぶ練習をしておきましょう。
電力・管理は範囲が広い
電力・管理は、発変電・送配電・施設管理まで範囲が広い科目です。全部を同じ深さで準備するより、得意な分野を作っていく方が現実的です。
範囲の分け方と選び方は電験2種の電力・管理でくわしく紹介しています。
機械・制御は2題で決まる
機械・制御は、4題から2題を選んで60分で書きます。1題の出来が結果に大きく響く科目なんです。
範囲は、電気機器、パワーエレクトロニクス、自動制御、メカトロニクスです。例えば、電気機器と自動制御を得意な柱にしておけば、どちらかが難しくても、もう一方で埋めやすくなります。
『全部の分野をやらないと不安…』という気持ちも分かります。ただ、時間が限られている時は、2つの柱を深く固める方が結果につながりやすいはずです。
計算問題の答案の書き方の型
記述式では、式を立てた理由や途中の計算も答案の一部です。読む人が追いかけられる順番で書くと、伝わる答案になります。
採点の基準は公表されていません。だからこそ、自分の考えが読み手に伝わる書き方を身につけておきたいところです。
マーク式に慣れていると、『途中の式は自分が分かればいい』と考えがちですよね。ただ二次では、その途中の式こそが答案の中身なんです。
- 与えられた条件と求めるものを、記号で書き出す
- 等価回路やベクトル図を描く
- 使う式を、文字のまま書く
- 数値を入れて計算する
- 答えに単位を付けて、下線などで分かるようにする

例題:力率改善に必要なコンデンサの容量
型に沿って、自作の例題を1つ書いてみましょう。
有効電力1,000kW、力率0.8(遅れ)の負荷があります。力率を0.95(遅れ)に改善するために必要なコンデンサの容量を求めてみてください。
まず条件を書き出します。P = 1,000kW、改善前の力率 cos θ1 = 0.8、改善後の力率 cos θ2 = 0.95 です。
改善前の無効電力は Q1 = P × tan θ1 です。cos θ1 = 0.8 なので sin θ1 = 0.6、tan θ1 = 0.75 となり、Q1 = 750kvar です。
改善後は sin θ2 = √(1 − 0.95²) でおよそ0.312、tan θ2 はおよそ0.329です。Q2 = 1,000 × 0.329 でおよそ329kvarになります。
必要なコンデンサの容量は Q1 − Q2 なので、答えはおよそ421kvarです。
答案では、Qc = P(tan θ1 − tan θ2) という式を先に文字で書いておくのがポイントです。数字だけを並べるより、何をしているかが一目で伝わります。
例題:誘導電動機の二次銅損と出力
機械・制御でも、型は同じです。もう1つ自作の例題を書いてみましょう。
三相誘導電動機の二次入力が50kW、すべりが0.04の時、二次銅損と機械的出力を求めてみてください。
条件は、二次入力 P2 = 50kW、すべり s = 0.04 です。誘導機では、二次入力・二次銅損・機械的出力の比が 1 : s : (1 − s) になります。
二次銅損は Pc2 = s × P2 なので、0.04 × 50 で2kWです。機械的出力は Pm = (1 − s) × P2 なので、0.96 × 50 で48kWになります。
答案では、最初に「1 : s : (1 − s)」の関係を書いておくと、読み手は計算の根拠をすぐに追えます。
小問のつながりに気を付ける
二次の計算問題は、前の小問の答えを次の小問で使う形が多いです。最初で間違えると、後ろまで響いてしまいます。
最初の小問の答えを確かめずに次へ進み、最後まで数字がずれてしまうことです。小問の答えが出たら、桁と単位がおかしくないかを数秒だけ見直しておきましょう。
答案を出す前の見直しチェック
時間が残ったら、次の点を上から順に見直してみてください。
- 求められたものに、すべて答えているか
- 答えに単位が付いているか
- 式の文字と数値の対応が読み手に分かるか
- 前の小問の答えを、後ろの小問で正しく使っているか
- 図に記号と向きが書き込まれているか
論述問題の書き方の型(電験2種論述対策)
論述問題は、長い文章を書く試験ではありません。問われたことに対して、要点を箇条書きに近い形で短く並べると読みやすくなります。
『論述って、作文みたいに書くの?』と不安になる方も多いはずです。
実は、二次の論述は、問いの言葉に1つずつ答えていく書き方が合っています。「理由を述べよ」なら理由を、「対策を述べよ」なら対策を、それぞれ見出しのように分けて書きます。
| 問いの言葉 | 書く中身 | 書き方の例 |
|---|---|---|
| 原因・理由を述べよ | なぜ起きるのか | 「〜のため、〜となる」と因果で書く |
| 対策を述べよ | どう防ぐか | 機器や運用の対策を2〜3個並べる |
| 特徴を述べよ | 長所と短所 | 長所と短所を分けて並べる |
| 手順を述べよ | 何をどの順で行うか | 番号を付けて順に書く |
例:フェランチ現象の理由と対策
自作の問いで、書き方の例を見てみましょう。
送電線のフェランチ現象について、起きる理由と、受電端の電圧の上昇を抑える対策を述べてください。
答案は、例えばこんな形になります。
- 理由:軽負荷の時、線路の静電容量による進み電流が流れ、受電端の電圧が送電端より高くなるため
- 対策1:受電端や変電所に分路リアクトルを入れて、進みの無効電力を打ち消す
- 対策2:調相設備で遅れの無効電力を出し、電圧を調整する
- 補足:ケーブルの多い系統では静電容量が大きく、起きやすくなる
理由と対策を分けて書くと、読む人が「どこに何が書いてあるか」をすぐに見つけられます。
もし時間が足りなくなっても、理由と対策の見出しだけは先に書いておきましょう。何も書かない空欄より、要点が1行でもある答案の方が、伝わることは多いはずです。
慣れてきたら、図を1つ添えるのもおすすめです。例えばフェランチ現象なら、送電端と受電端の電圧の大きさを比べたベクトル図があると、説明がぐっと分かりやすくなります。
論述の語句を自分の言葉で言えるようにする
論述の準備は、用語の暗記だけでは足りません。「なぜそうなるのか」を2〜3行で説明できるかが大事です。
- 過去問の論述で問われた用語を、ノートに書き出す
- 用語ごとに、理由と対策を2〜3行で書いてみる
- 書いた説明を、何も見ずに口で言えるか試す
- 標準解答と見比べて、抜けている語を足す
試験センターの二次の標準解答は、試験から約2か月後に公表されます。自分の答案と見比べる材料として使ってみてください。
標準解答を使った練習の手順
標準解答には解説が付いていません。だからこそ、使い方を決めておくと練習の質が上がります。
- 時間を計って、1題を30分で書き切る
- 書き終えてから標準解答を開き、抜けている語や式に印を付ける
- 印を付けた所だけ、参考書で理由を調べる
- 数日空けて、同じ問題を何も見ずにもう一度書く
2回目に書いた答案が1回目より短く、要点がそろっていれば、力がついてきた証拠です。
一次合格の翌年に二次から受ける計画
一次に合格した年に二次で落ちても、翌年度は一次免除で二次から受けられます。この仕組みを使って、二次の準備に2回のチャンスを持つ考え方もあります。
『一次の勉強で手一杯で、二次の準備が間に合わない…』という方もいますよね。
一次の結果発表から二次までは約2か月しかありません。そこで、次のような計画の型があります。
| 計画の型 | 一次合格の年 | 翌年度 | 向いている人の例 |
|---|---|---|---|
| 同じ年に二次まで | 一次の勉強中から二次の準備も進め、二次に合格を狙う | なし | 三種合格の直後で、勉強の時間を多く取れる人 |
| 翌年に二次が本命 | 二次は本番の練習のつもりで受ける | 一次免除で二次に集中する | 平日に1時間、土日に3時間ほど勉強できる人 |
| 一次の途中から並行 | 一次の得意な科目が固まったら二次の過去問に触れる | 必要なら二次に再挑戦 | 一次の科目合格を積み上げている人 |

ただし、翌年度も二次で不合格だと、翌々年度は一次からになります。翌年を本命にする場合も、1回目の二次は本気で受けるつもりで臨みましょう。
一次の結果が出た後、こんな相談を職場でする方もいるかもしれません。
「一次に受かったけど、二次まで2か月しかないんだよね」
「今年は練習のつもりで受けて、来年を本命にするのもありだよ」
一次の勉強中から二次につなげる
一次の勉強の中にも、二次の準備になることがあります。
- 一次の計算問題を、選択肢を見ずに自分で解いて答えを書く
- 途中の式を省かずにノートへ書く
- 機器のしくみを、3行くらいの文で説明してみる
- 答えに単位を付ける習慣をつける
こうした練習を一次のうちから混ぜておくと、二次への切り替えが楽になります。
添削を受けるかどうか
記述式の答案は、自分で採点するのが難しいものです。どこが伝わっていないのかに、一人では気づきにくいんです。
独学で進める人も多いですが、記述の添削がある講座を使う方法もあります。電験二種向けの講座・教材の選び方は電験二種の講座・教材の選び方で紹介しています。講座の比べ方の基本は、次の案内からも読めます。
電験ガイド
独学で進めるか、講座を使うか迷っている方へ
電験三種は4科目の範囲が広く、理論や機械の計算でつまずく人も少なくありません。通信・Web動画・DVD・通学など講座の学び方の違いと、比べる時のチェックポイント、資料請求で確かめたい点をまとめました。
講座の選び方電験三種の講座の選び方を見る当サイト内の解説ページに移動します。試験の日程・受験手数料は電気技術者試験センターの案内で最新情報を確認してください。
電験2種2次でよくある相談
知恵袋などで見かける二次の相談から、3つを選んで答えていきます。
論説はどう勉強すればいい?
「電験2種の二次試験の論説は、どう勉強すればよいのか。過去問を中心にすればいいのか」という相談がありました。
結論から言うと、過去問を出発点にするのは良い進め方です。ただ、標準解答を丸暗記するより、問われた用語ごとに「理由」と「対策」を自分の言葉で書けるようにする方が、形を変えた問題にも対応できます。
例えば、1日1題の論述を15分で書いて、標準解答と見比べる。こうした小さな練習を続けるだけでも、書くスピードが上がってきます。
過去問の数値を変えた問題が出ると聞いたけど?
「電験二種の二次試験は、過去問の数値を変えた問題が出ると聞いたが本当か」という相談もありました。
似たテーマが出ることはあっても、それを前提に準備するのはおすすめしません。数値を覚えるより、なぜその式を使うのかを理解しておく方が、どんな問題にも対応しやすくなります。
過去問の入手方法と使い方は電験2種の過去問で紹介しています。
電験2種の資格は二次試験まである?
「電験2種の資格は二次試験まであるのか」という相談もありました。
はい、あります。一次試験の4科目に合格した後、記述式の二次試験に合格して、免状を申請する流れです。
三種のように一次だけで終わる試験ではないので、計画を立てる時は二次まで含めて考えておきましょう。
よくある質問
電験2次試験とはどんな試験ですか?
電験の二種と一種にある記述式の試験です。二種の二次は電力・管理と機械・制御の2科目で、問題を選んで計算の過程や説明を書いて答えます。
電験2種2次試験対策は、いつから始めればいいですか?
一次の結果発表から二次までは約2か月しかありません。一次の勉強の途中から、二次の過去問に目を通しておくと安心です。
二次試験に科目合格はありますか?
ありません。ただ、一次合格の年度に二次で不合格でも、翌年度は一次免除で二次から受けられます。
二次の過去問の解答はどこで見られますか?
電気技術者試験センターのホームページで、二次の問題と標準解答が公開されています。標準解答は試験から約2か月後に公表され、解説は付いていません。
電験2種対策で、一次と二次は別々に勉強した方がいいですか?
一次で覚えた公式や理論は、二次の土台になります。一次の勉強の中で、途中の式を書く練習を混ぜておくと二次につなげやすくなります。
まとめ
- 電験2種の二次試験は、電力・管理と機械・制御の2科目の記述式
- どちらの科目も1題あたり約30分で、選ばなくてよい問題が2題ある
- 計算問題は、条件の書き出しから単位付きの答えまで道筋を書く
- 論述問題は、問いの言葉に合わせて理由と対策を分けて短く書く
- 一次合格の翌年度は一次免除で二次から受けられるので、2回のチャンスで計画する





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